2005年と2009年のあいだで

S「というわけで昨日は、日曜日の代休ということでお休みしてました」
M「べつにいちいち断らなくてもいいんじゃないですか? ブログは毎日書かなきゃいけないってわけでもないんですから」
S「え、そうなの?」
M「そうに決まってるでしょ! まさか本気で毎日書くつもりだったんですか」
S「まあ、どうせ一年間だけだし。半分仕事だし。あ、それで思い出した、仕事の話をしようと思ってたんだ。
人に逢うたびに『最近、何してるんですか』って聞かれるんだけど、これがなかなか説明しにくいんだよ。実はこないだSTTこと『サマー/タイム/トラベラー』を出してからは、3年……いや足かけ4年になるのかな……ずーっと例の大長編を主にやってました」
M「例の、とか言われても分からないですよ。ようするに小説書いてたんですか」
S「うん。それが書き上がったのが07年の9月で、その後は主にハヤカワ様のSFと、あとはショートショート連載やったりとかウェブ連載やってるんだけど、そしたらようやく大長編の出版が本決まりになって、09年に出る予定」
M「………………(呆れている)」
S「なんだね、その目は」
M「いやその、えーと、ちょっと待ってくださいよ。ということは、書くのに2年、出すのにさらに2年かかってるわけですか!? どういう小説なんですか、それ」
S「そこが説明しにくいんだけど……まずは、
   分量が原稿用紙換算で3000枚
ただし、物語の中では24時間しか経過してない。でもって、
   舞台は現代の東京で、主人公が15人
これを来年まとめて一気に出そうというわけで、新城&担当編集様がそろって呻吟しているのが最新の状況です」
M「ジャンルは?」
S「それが書いた本人にも分からないから困ってるんだよ」
M「そんな無責任な」
S「しかし事実なんだからしょうがない。まあ、もしかしたら、ライトノベルとしては史上初の全体小説なのかも」
M「え!? それライトノベルなんですか!?」
S「……それもよくわからない。企画の当初はライトノベルだったのは憶えてる。書き始めた頃は、
   これほんとにライトノベル
   なのかなあ
と思ってて、半分くらい書いたあたりでは、
   これはもはやライトノベル
   ではない!……でも、じゃあ
   ライトノベルって何なんだ?
と考え始めて、でも書き上がった後は、
   もしかして、これこそ真の
   ライトノベルなんじゃないのか?
みたいな気持ちに」
M「うーん、ますます分からなくなりましたよ僕は。きっとこれを読んでる皆さんも」
S「それは奇遇だなあ。新城もだいたいそういう気持ちですよ。動画であらわすと、こんな感じ?」

M「……ぜんぜん分かりませんよ!」