最低限資産保障guaranteed minimum assetと個人割当炭素排出取引personal carbon tradingを組み合わせたら……

S「……どうなると思う?」
M「って結論出たから書いてるんじゃないんですか!?」
S「そんなわけないだろ。いつだってその場の思いつきだよ。えーと、まずはGMAだな。これは最近話題の最低限所得保障からの連想で、だったらいっそのこと子供が生まれた時に最低限の資産を国が保証してやって、その運用は(成人してから)自分で責任もってがんばってね、みたいな」
X「それと似たようなこと、クロポトキンが提唱してなかったっけ。いや、プルードンだったかな」
S「なんかそんなような気もするんですが、ちょっと思い出せなくて。ただ、国民が先払い&後受け取り式の年金やら介護保険やらを口約束して後でメチャクチャになるよりは、政府が先払い&後は個々人のご勝手に式としたほうが行政的面倒が少なくていいかなあと。それにしても『保障』だとguaranteeじゃなくてsecurityになっちゃうんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょう」
X「そういやそうだな。所得保証、のほうがニュアンス合ってるような気もするな」
M「って誰なんですか、このXって人! 時々出現しますけど!」
S「ああ、彼は新城の先輩で柳川さんです」
X「よろしく」
M「……ちょっと待ってください。柳川って新城さんの本名じゃないですか!」
S「そういう噂もあるのは承知してます。話すと長くなるので、その件はまたいずれ。で、次はPCTなんだけど、これはようするに『国ごとに温室効果ガスの排出制限するんだったら、いっそのこと一人あたまの排出権まで確定させればええやんけ』的発想のようで……で、新城が妄想したのは、ああこれはGMAと組み合わせれば面白いなあと」
M「そこで『世界が良くなるなあ』にならないのが、いかにも新城さんらしくて少しだけ安心しましたよ」
X「まったくだ。てことはあれか、誕生時に保証/保障される最低限資産の中身ってのは……」
S「排出権そのものです、もちろん。で、それを売買できる市場をきちんと整備しておけば、運用もできるし生活費の足しにもできる。しかも、排出権という権利は新しい規制によって生み出された新しい価値なので、政府はこれを新生児に保証〜譲渡するための財源が要らない」
X「そこはちょっと意見が異なるけどな、俺は。排出権つっても最終的には市場の時価総額で、てことは順次現金化できちゃうから、やりすぎるとインフレになって跳ね返ってくるような気が」
M「……なんかまた騙されてるような気がするんですが……それに微妙に1984的なディストピアの匂いも……」
S「そりゃそうだよ。これはもともと、そのうち書こうと思ってるディストピアSFのネタなんだから」
M「えー!!」