♪You can dance, you can dance... in secrecy!

S「あまりにびっくりして面白かったので、ありのまま今起こった事を話すぜ本日2回目ですが備忘として書いときます:オリビア・ニュートン=ジョンの母方の祖父って、あのマックス・ボルンだったんですよ」
X「へー」
S「で、さらにすごいのは、彼女の父親……つまりボルンの娘さんが結婚した相手というのは、MI5に勤務しててエニグマ計画にも関わってたという軍人(たぶん)だったんだそうな。しかもこのBrinley Newton-Johnという人物、ウェールズ系英国人らしいんですが、あのルドルフ・ヘスが英国亡命した際に最初に接触だか捕縛だかした人でもあるとか」
X「お、面白くなってきたな。たしかボルンもナチ政権奪取後に英国へ移民したんじゃなかったっけか。てことはBrinleyは、戦前もしくは開戦後の軍の「優秀そうなドイツ系移民の忠誠心をチェックしたうえで動員する」窓口役で、その際に娘さんと出逢ったとか」
S「ドイツ語が堪能だったのは間違いないんで、もしかしたらそうかもしれません。というのは戦後Brinley氏&家族はオーストラリアはニューカッスルへ移住してるんですが、彼はそこでドイツ語の教授をやってたんだそうです。ということはですよ、彼は英語・ドイツ語・あとたぶんウェールズ語ができたうえに大戦当時の極秘暗号解読計画に携わってた人材なわけで……」
X「……相当優秀なエージェントだな、こりゃ。もしかしたらそのまま戦後もずっと――インドシナ動乱からベトナム戦争あたりを、スパイ・マスターとしてじっと見つめ続けて――」
S「という妄想もふくらんじゃうくらい面白そうな人ではあります。うーむ、いろんな人がいるもんだなあ〜」
M「でも、なんでカテゴリがSFとか仕事なんですか?」
S「うん。それは以前から書こうとして取材し続けてる大長編が、戦間期を舞台にした言語学&諜報SFだからなのですよ」
M「大長編て……3000枚くらい?」
S「いや、たぶんその倍くらいは
M「えー!!」




(4時間後)
X「それはさておき、タイトルに引用した歌詞の元のDancing Queenは、オリビアじゃなくてアバじゃねえのか?」
S「ぎゃっ」