高度に発達した内燃機関駆動の移動システムは……

M「新城さん、こんなニュース↓を見かけたんですけど」
S「なにー!!」
 Google Will Introduce Aptera 2e Electric Car in October
  グーグル、電気自動車Aptera2eを10月に発表予定
S「うーむ……初めはどこかのgeekがつくった面白妄想記事かと思ったけど、いろいろぐぐってみたらどうやらホントのことなのね……ってこの記事の信憑性をグーグル検索とウィキペディアで調べてるところがすでにあまりにも象徴的なんですが。情報の本源的信頼性とはいったい……」
M「そういえばグーグルって発電所も自前でやるんじゃなかったでしたっけ」
S「そんな話題もあったねえ。一部報道では『なんでそんな畑違いな分野へ』という声もあったそうだけど、新城としてはむしろこれこそグーグルが新規投資すべき最大の案件だと思ったよ。なぜって、

  1. グーグルは巨大な電力消費者である
  2. ネットの情報の大半は無料だけど、ネットに入るには電気料金がかかる

んだから。つまり……」
M「……電力産業に参入してそこで確固たる地位を築ければ、自分のところの経費が削減できるうえに、広告収入ビジネスモデルから脱却できる?」
S「というより、グーグルが開発実装した検索×広告モデルをそのまま電力ネットワークへ持ち込めるのかもしれない。たとえば我々がエコだ何だといって自宅で太陽発電して電気つくっても、それは自分で使い切るか既存の電力界社に売るしかないだろ? でも、そこにもしも選択の余地が生まれるとしたら……」
X「しかし送電網にそんな『遊び』はないんじゃねえの? あれってけっこう微妙なバランスで保たせてるって聞いたぜ」
S「うーむ、そうかもしれませんけど……ただ、自動車に電力というある意味とっても20世紀的な産業をグーグル化できたら、これはすごいことになりますよ。自分の身体情報をグーグル経由でネットに放り投げて分析したり世界中の人と比較したり、っていうサービスもそろそろ始まってるらしいし。お次は運転しながら高速で移動中でもネットにつながって自己のデータを分析したり比較したり……まさしく高度に発達した移動機関は携帯端末と区別がつかない時代ですよ。おまけに自動車という端末で消費した電気料金の振込先もまたグーグル」
X「……おまえ早く被著作人ネタのSF書いたほうがいいぞ。また現実に追い越される
M「ところでふと気になったんですが、この自動車の記事を新城さんにお知らせしたのは、ほんとに現実世界に存在する僕でしたよね」
S「そういえばそうだった」
M「てことは、今日のエントリの僕は最初の一行だけノンフィクションで、残りはフィクションだってことですか?」
S「うーん。でも現実世界の君がどういうつもりで記事を知らせてくれたのかは新城にも分からないし、あるいはその他の君のセリフも単に物理的な君がまだ発してないだけで、案外にこんなふうに会話してたかもしれないし。そもそも、ここで新城が語っていることだって、生身の新城カズマだったら使わない口調や論理かもしれない。ほら、ハンドルを握ると性格が変わる人っているでしょ。ああいうふうに、ブログに書く時にはがらりと口調も思考も変わって」
M「むーむむむ、するとここにいる僕はいったい……






S「あ、いま気がついたけど、もうブログ始めてから2ヶ月経っちゃってる。また例のやつをやらなくちゃ」
M「例のやつ?」
S「それは明日以降をお楽しみに〜」