われら銀河をググるべきやDo We Dare Google the Galaxy?【その02】

S「というわけでグーグル×著作権(とBL記法で表現すると、状況が実に分かりやすくなるなあ……)に関する最新情報は、ブックマークのほうにまとめることにしました。この文章の横だか斜め下だかにある"GooglingTheGutenbergGalaxy"というタグをご覧ください」
X「ていうか、最初からそうしとけ。そのためにあるんだから、あの機能は」
S「あはは。まあ初心者ということで。それはともかくとして……今回の和解に関する英語圏の記事やらブログやらを検索してたんですが……」
X「ちょっと待った」
S「え?」
X「グーグルに関する訴訟とその和解についてのサイトを、グーグルを使って検索したのか?」
S「そうですよ」
X「で、上位に上がってきたほうから順に読んでったんだな?」
S「そうです」
X「その検索結果の順位が何らかの意図にしたがって捩じ曲げられたものではないという保証は?
S「………………………………えーと」
(扉にノックの音)
S「おや今ごろ誰だろう?」





……







M「とかそういう定番のブラック・ジョークはどうでもいいですから。話を続けてください」
S「はいはい。で、英語圏をざっと見渡したら、ロバート・ダーントンが今回の和解についてコラムを書いてて、これが面白そうなんです」
X「え、まじで? ダーントンって、あのダーントン!?」

S「みたいですよ。で、そのコラムに対する反論やら批判やら誤解やらがいろいろ渦巻いてるらしいです」
X「へー。さっそく読んでみよう。なんだったら新城、おまえ和訳しろ」
S「え〜! 誰かもうやってるんじゃないですかあ?」
M「そうですよ、それより新城さんはさっさと小説書いてください」
X「そうだ思い出した。Mよ、こないだおまえ『グーグルの広告ビジネスモデルからの脱却』とか言ってたけど、むしろその逆で、あらゆる交換transactionを広告型にしちまおうっていう陰謀論もあるらしいぞ:

でもって、グーグルは自前の『検索=広告』方式がベストで他社との競争に勝てそうなんで、それを強力にプッシュしてる、と」
M「つまり何ですか、有体物を現金と交換して購入するっていう行為自体が過去のものになると?」
X「少なくとも情報財とか知的財産に関してはそうだな。今後も、野菜やベッドはユーザー=消費者が金を払うが、小説やドラマなんかはユーザー=享受者じゃなくて関連商品の製造販売業者が(広告料金をグーグルに支払うかたちで)負担する」
M「そんなムチャな!」
X「なんで? どこが? じゃあ、過去半世紀の民間TV放送はどうやって帳尻を合わせてたってんだよ?
M「うーむ」
S「あ、そうか。書籍は雑誌と違って販売期限が短くないから広告は(自社広告以外は)載せられない……っていう話は聞いた事ありますけど。GoogleBooksなら、新刊だろうが絶版本だろうが関連広告が載せ放題/付け放題なんだ。なるほど……」
X「なに感心してんだよ。ていうか新城、おまえは今回の和解に賛成なのか反対なのか」
S「興味深く見守っておりますが」
X「っておまえも当事者だろうがよ! とっとと態度決めろ!」
Q「その前に仕事しなさい」
S「どきっ」