GGG12:「将軍、グーグル・ジャマー・キャンセラーを開発しました!」

S「というわけで、人類文明の生産性だか効用だかの話に入る前に――」
M「(ずっこける)」
S「――超安価スキャナが開発されず、もしくは著作権保護がさらにガチガチに硬くなったり延長されたりDRMが標準化したりして、日本がGlobal Googlizationから外れた電子の海の孤島になった場合――それでも日本国内でGoogleの側につきたい人は何ができるか?についても、ちょっと考えてみたんだけど。……なんで床に転がってるんだい、M君」
M「まさか3日越しで前回のオチが来るとは思いませんでしたからねっ!」
X「まだまだ甘いな。で、何ができるんだ」
S「たとえば――慶應義塾大学に、自分の蔵書をぜんぶ寄付するってのはどうでしょう」
M「えー!?」
X「ふふん。たしかに、慶應は既にグ社の計画に乗ってるからな。あそこの図書館に入っちまえば、いつかそのうちスキャンしてもらえて……ってわけだ。時間はかかるかも知らんが。ただ、著作権が有効な書物はやっぱり読めんだろ」
S「そりゃまあ。これはどっちかっていうと、自分で蔵書をスキャンするのは面倒だけどGooglizationに協力したい、という人向けのアイデアですしね。
あと、もうひとつ考えたのは、著作権関連の法律をちょぴっとも改正せずに、このTweegle時代*1に日本を素早く適応させるネタ方法なんですが。つまり、政府が日本中のあらゆる著作物をいったん買い上げる、という……」
M「???!!!」
X「なるほど。ぜんぶ公文書にしちまうのか」
S「そういうことです。現行の著作権法によれば、公文書については著作者人格権も複製権も主張できないので……だって公文書は税金でつくってる国民の財産なんですから当然ですよね……いくらでも複製・頒布ができることになってます。これぞフェアユース。だから、Google的な技術や社会に賛同する人たちは、著作物を政府に1件1円とかでいったん買い上げてもらったうえで政府機関のサイトなり何なりから頒布できるよう要求していく、と。あとはダウンロード回数に応じて税の控除とか、みなし公務員になれちゃうとか。買い上げが面倒なら、そのへんの業務を代行する公益法人中間法人か何かを立ち上げて、そこのサイトにアップしたい人だけアップするんでもいいですけど。国内著作物の完全な公共財化、とでも言いましょうか」
X「運営費はどうするんだ。まわりまわって税金投入か?」
S「ほんとはバウチャー制がベストなんでしょうけど……代行法人の運営費も著作権者への報酬も。あるいはベーシック・インカムと組み合わせて、一定以上の著作物を公共財化した人には最低限の作者インカムを保証、とか。箱モノ行政でコンテンツ立国ぶるよりは、よっぽど面白そう」
M「なんか腐敗と汚職の温床になりそうだなあ……素直にクリエイティブ・コモンズを活用するってのじゃ、ダメなんですか」
S「うーん。新しい役所や公益法人をつくれますよって言ったほうが、お役人が賛成してくれるかなぁと思ったんだけど」
M「(またずっこける)いきなり天下り対策ですかっ!」




S「まあまあ。今日は基本的にネタの在庫整理なので」
M「んなこと、あとから言われても!」
S「そんなこんなで、話はまだ続きます……」

*1:Tweegleというのは新城の造語で、Twitter+Google=たくさんの蓄積された知識やリアルタイムのやりとりがものすごい勢いで電子的に飛び交う状態、それを可能にしている技術体系、さらにはそれがひきおこす副次的で予想外の問題やら何やらをまとめて指します。ようするに、今の僕たちが直面している事態であります。