クシュカ語辞書(の続き)
S「あれ、なんか途中までしか表示されないぞ>クシュカ語辞書。大きすぎたのかなあ……というわけで、esl以降の単語です」
- es^lin{動:エシュリン <充足接頭辞e-+語根SEL「集まる、共にある」+【lin】 ←→【is^】【s^a】等を参照}
- 1. さまよう、群の外へ迷い出る。洩れる。
- 2. 迷う。道を逸れる。
- 3. (水などが)漏れる。こぼれる。
- 4. 例外となる。例外的である。
- esna{名:エスナ <*es-}
- 1. 波。
- esnas^{名:エスナシュ}
- 1. 波打ち際。岸辺。浜辺。
- essin{動:エッスィン}
- 1. できる。可能である。なしとげる。←→【es-】を参照。
- ezna{名:エズナ <*zn- ←→【asnin】}
- 1. 【クシュカ帝国】における長さの単位。
- ezrav{形:エズラヴ <【ezrin】<*ezinの完了形*ezu_rin<ESE}
- 1. 曲がった。湾曲した。
- 2. ねじ曲がった。
- g{前置:グ <ne-<nevin<【nin】}
- 1. 属格に先行して、所属や被所有関係をあらわす:「〜に属する、に所有される」。
- gamulin{動:ガムリン <【gar-】+MUL}
- 1. 病を癒す。病から癒える。
- 2. 悪霊を祓う。
- gapha_rrin{動:ガファーリン <【gar-】+【pharra】}
- 1. 髪を切る。
- 2. 飼い慣らす。支配下に置く。
- 3. (雅)悟りを得る。また、そのために転輪僧となる。←→【knissin】を参照。
- gar-、gan-{接頭:ガル、ガン <*iger-<IKER →【grin】参照}
- 1. 動詞や名詞の語頭に付いて反対・阻害・停止・極限・過剰・過少などをあらわす。主に動的な対義語を生成するのに用いられる。
- →より静的な対義語をつくるには【agn-】を参照。
- ※例文) garraidovna y`nien kai sudnovnai ahlen zan.
- 訳:「執着を絶つことは、空を裂くことに等しい」
- gar- +【aidin】「伸びる、伸ばす」
- >garraidin「絶つ」>名詞化garraidovna「途絶、断絶」
- garrerzon{名、固有:ガレルゾン}
- 1. 【ガレルザーンgarrerza_nn】の古名。
- 2. (固有)帝国に伝わる民話の主人公。隷民に身をやつしては各地を放浪し、悪霊や匪賊を退治してまわる。多くの場合、【サスルSasul】の化身であることが物語の最後に明かされる。
- gauna{名:ガウナ <gau-gn-<GAW+GENE →印欧祖語GENe;古英語cwen「女性、妻、女王」、ギリシャ語gyne「女性、妻」 ←→関連語句【 -ven 】を参照}
- 1. 貴婦人。【帝都アシュナ】に住まう貴族の女性。
- 2. 成年女性、婦人。
- 3. (古)女主人、女領主。
- gessau{名:ゲッサウ <【issin】}
- 1. 悪霊。
- 2. 悪鬼羅刹。←→類義語【azr】を参照。
- gi_y`{名:ギーユ <天騎語*gil-<IKELE}
- 1. 悪霊。遊牧民の天幕に集まるという小妖怪。
- 2. 悪さをはたらく妖種。女怪。
- gna_lin{動:グナーリン →【gnin】}
- 1. 空にする。空ける。
- 2. 飲み干す。
- gnay'{名:グナーユ →?サンスクリット語na`ga}
- 1. 蜥蜴神、または水蛇神。イスキュア神話においては水と不死を司る女神。
- golkin{動:ガリン}
- 1. 言う。発言する。言葉を発する。
- 2. 呪言を発する。呪う。
- gwin{動:グウィン <【kwin】<Ke}
- 1. 作る。
- 2. 製作する、工作する。
- 3. 〜させる。〜のように仕向ける。←→類義語【aku_in】を参照。
- gzau{名:グザウ <*gs-ou-<*gis-<GwEDH →古英語biddan<印欧祖語GwEDH「問いかける、祈る」}
- 1. 流浪者。
- 2. (仏典)巡礼僧。乞食(かつじき)をする者。
- 3. (古)祈祷師、まじない師。原義「天に問いかける者」。
- gzavl{名:グザヴル、グザウル <?*gez-+vel}
- 1. 狩猟、とくに儀礼的な狩り。
- 2. 草原の疾走。
- 3. (固有集合名詞)イスキュア神話において、夜半に疾走する亡霊の群れ。疾駆鬼。先頭の疾走者は頭部を欠くことが多い。【赤獣ダグナDagna】の天敵。単数を強調する場合はグザヴェウgzaveu、またはグザヴァgzava。
- Has^le_z{固有:ハシュレーズ <*Hals^lusse_-<hal-+【s^lossin】の受動未来分詞属格s^lossoe_vn<G^HAL+SEL+LOS}
- 1. 【帝都アシュナ】の内裏の壁に記された九つの大戦の総称。それらのうち最も有名なものは【パーンドゥシュPandrs^】大戦であり、【四大氏族Velkve_da】から出た多くの英雄騎士たちが転輪乗世界の各地でたおれた。
- haulin{動:ハウリン <har-<*khra-}
- 1. 錆びる。
- 2. 朽ちる。
- 3. (転用)腐る。←→類義語【kurgin】を参照。
- hauv{名:ハウヴ <【huin】の過去分詞形}
- 1. 天馬。【天空遊行tuvenkus^】をおこなう馬。
- 2. 良馬の美称。駿馬。
- Herrelvada_ya{固有:ヘレルヴァダーヤ <*Herru_lvadauya<【herru_lvin】+【vadau】}
- 1. クシュカの遙か西方にある「大河の国」を治めた女王の名。「名高い+父親(+女性形語尾)」の意。
- herru_lvin{動:ヘルールヴィン <her-+【ulvin】}
- 1. 栄誉を勝ち取る。名をあげる。
- 2. 有名になる。
- Hianry`stova{固有:ヒアンリュストーヴァ <【hianry`z】+【tova】}
- 1. (仏典)【ナナン=ズィル菩薩神】の異称。
- hianry`z{名:ヒアンリューズ <【hian-】+*re-}
- 1. 月の周囲にみえる円環または孤形の白光。月の暈。
- 2. (仏典)月虹。転輪経典においては、【ナナン=ズィル菩薩神】と【クールーシュ宇宙侵入神】との誓約のしるしであると解釈される。
- 3. (漢籍)白光。日輪を貫くことで凶兆をあらわす天文現象。幻日。
- 4. (転用)帚星。彗星。
- hiaz{名:ヒアズ <*hy`a-}
- 1. 銀。
- Hilielva{固有:ヒリエルヴァ <*hil-+【ulsa】}
- 1. 世界樹【スカウズ】の別称の一つ:直訳「天の支柱」。主にジェッサ氏族が用いた。
- ※例)
- vananu_ya barrandrav yegh us^kvelg, nu vananu_ya puzandrav Hilielvag.
- 「我らの騎馬より勇ましきものの全く無きこと、〈天の支柱〉より堅きものの無きが如し」
- hilvay`{名:ヒルヴァーユ}
- 1. 上昇。上方への移動。
- 2. 昇格。昇進。
- hilvin{動:ヒルヴィン <*hlm-}
- 1. 持ち上げる、上昇させる。
- 2. 昇格させる。
- 3. 天界のものとする。
- hozna{名:ホズナ <*khos-}
- 1. 寒さ、冷たさ。
- huin{動:フウィン <hw-<*hyw-<名詞語幹*hlw-<HeLeM「天空、上昇」}
- 1. 天翔る。天空を駆ける。←→対義語【kwin】を参照。
- 2. 馬に乗り、あやつる。
- i{前置:イ ただし母音の直後に置かれた場合、古典クシュカ語ではヒkhiとなり、【エルン王国Erndeva】の発音ではキ ki となる}
- 1. 名詞の属格に先行して、所在を示す:「〜の、における」。
- 2. 対格に先行して、範囲や時期を示す:「〜あたりの、〜ころの」。
- i-/a- -rruin/-rwin/-uin{動:イ/ア-ルウィン/ウィン/リン <*orre-}
- 1. 名詞または動詞幹を挟んで、行為による変化をあらわす:「〜にする」「〜めかす」「〜化する」。
- iandlo{形:イアンドロ <【iandin】}
- 1. 第二の。
- 2. 付き従う。
- 3. (古)従者の。
- iandu_n{名:イアンドゥーン}
- 1. (古)侍従。単数を強調する場合はイアンドンiandonを用いた。→【zaidu_n】を参照。
- 2. (古)警護兵。護衛。
- iandu_y'{名:イアンドゥーユ <【iandin】}
- 1. (騎士の)従者。
- 2. 見習い。
- 3. (俗)若者。未成年。
- ikla{名:イクラ <【iklo】}
- 1. 黄色。
- indau{名:インダウ}
- 1. (固定的な)場所。位置。所在。
- 2. 狙い。照準。焦点となっている土地。
- 3. (古)遊牧民が天幕を張っている場所。宿営地。
- Ingu_ska{固有:イングースカ <ingu_-<派生語幹*ingwl-「誇りに満ちた〜」<形容語幹*ingl-「満ち足りている〜、満足している〜」<強調形*ngl-「満ち溢れるもの」<名詞語幹*nl-<NeL}
- 1. イスキュア神話における半獣半女の戦士。【天界十騎Us^kvanu】の一人【ヴァラドゥーズ】の妻となり、美丈夫【アンファルーズ】と獣剣士【ダグ=アシュガウ】を産んだ。
- irkhin{動:イルヒン、イルキン ←→ 【irna】}
- 1. 弓なりに反る。しなる。
- 2. 曲がる。
- 3. (力や感情などが)つのる。蓄積する。
- irkhrin{動:イルフリン、イルクリン <【irkhin】}
- 1. 曲げる。
- 2. (外的な力によって)狭い場所へ詰め込む。
- irz{名:イルズ ←→【irna】}
- 1. 双刃の斧。
- Is^ka{固有:イシュカ <*is^-「十字の、交叉した」+*kau-「腕」?}
- 1. イスキュア神話における女神格。【ナナン=ズィル菩薩神】の脇侍で、のちにその権現とも見なされる。本来の神格は大地母神であったらしい。本地は千手観音、ただし密教では准胝観音をあてる。
- iskarlav{形:イスカルラヴ、イスカウラヴ <【iska_rrin】}
- 1. 垂直の。(地面から)まっすぐに建つ。
- isku_rrin{動:イスクーリン <【sku_in】}
- 1. (対象について)考慮する。深く分析する。
- is^luz{名:イシュルーズ <is^+【luz】}
- 1. 合唱。
- is^nessin{動:イシュネッスィン <is^na+zin}
- 1. 仲間となす。祖国となす。
- 2. 帝国の支配下に置く。
- 3. 進駐する。
- Ivna{固有:イーヴナ}
- →【Paiva】の俗称。
- kalin{動:カリン <【kaya】または【ka_y'】}
- 1. 囲む。ぐるりと輪になる。→四方をとりまく場合はkalinを用い、上下からも包み込むような場合は【la_win】を用いる。
- 2. 取り巻く。包囲する。
- Karrakna{固有:カラクナ、カラークナ}
- 1. 船の女神。【イシュカ菩薩】の眷属で、元来は【ナーユ天女】として釈迦世界に到来。別名Ukarkay`「船の造り手」、Na~lkna「飛天神」。【パーンドゥシュ】大戦の折には【咒釜ウルガ】を巨船に乗せて運び、戦の命運を決した。
- 皇帝の近衛騎士団は戦闘開始の合図として、hu~s kai Karraknai「カラクナ飛天神のごとく天駆けよ」を用いたとされる。(これは帝国後期には省略されて一般化し、出立の際の挨拶kaikarru~i>harru~iとなった。) →【Beizl】を参照。
- kay`{名:カーユ <*kwe- ←→kay`na、y`kay`}
- 1. 渦巻紋様。→【paulay`】を参照。
- 2. 渦。渦巻。
- kaya{名:カヤ <*kauya<*kaul-<KAW-LE}
- 1. 車輪。
- 2. 環状の物体。輪。輪っか。
- 3. (転用)指輪や首輪など、環状の装飾品。
- kay`na{名:カーユナ <*aku- →古ノルディック語aka「乗り物で旅をする」、ラテン語agere「乗る、導く」、ギリシャ語agein「導く」}
- 1. 方法、手段。目的を果たすための器具、または技術。
- 2. 移動手段。
- 3. 荷車。
- kdawin{動:クダーウィン <*kdava-}
- 1. 揺るがす。揺さぶる。
- Khiarska{固有:ヒアルスカ}
- 1. 第五代皇帝の治世に西方より到来した「魚の民」。集合名詞はヒアルスクヴェルKhiarskvel、またはヒアルヴェルKhiarvel。ヒウスカKhirska/ヒウスクヴェルKhirskvelとも呼ばれる。聖太子ヒアルスカウに帰依し、魚を紋章として死と再生の秘儀に耽溺したという。
- khiaz{名:ヒアズ <*khian-}
- 1. 魚、特に海の魚。
- 2. 【西方ヒアルスカ人Khiarska】の紋章。
- khowin{動:コーウィン、ホーウィン <*khova-<*khra-}
- 1. 崩れる。ぼろぼろになる。腐敗や腐食によって全体性・一体性を失う。
- 2. 疫病を得る。え病む。
- 3. (転用)感染する。←→【Khulus^】も参照。
- Khoznas^{固有:ホズナシュ}
- 1. イスキュア神話における英雄戦士。【ウシュクヴァーヌ天界十騎】の一人で【懐疑者アグナ】の従兄弟。
- Khraughonn{固有:フラウゴン <*khra-}
- 1. イスキュア神話において、最初の王ウルンクーヴァの土地の北辺を東西に流れた大河。北岸には菩薩と悪鬼が棲み、南岸には人の一族が棲んだ。コヴァウの湿地で【磊江ヴラウゾン】と合流し、その下流で【ウルゴン河Urghonn】が流れ込んだのちに大きく北へ湾曲した。
- khulus^{名:クルシュ、クールーシュ →語源不詳:Luciferと語源的関連あり?}
- 1. 外から来る者、侵入者、名前のない神仏。「剣を持つ仏」。
- 2. (固有名詞)イスキュア神話における宇宙侵入神。女面獣身で四腕四脚をとる。
- 3. (俗信)禍福を共にもたらす来訪者、訪い神。
- 4. 盗賊。
- Khunvel{固有:クンヴェル <*khund-+vel「氏族」}
- 1. クナヴェルKhnavelとも表記される:クシュカ帝国の北東〜東を守護した有力な氏族、いわゆる【四大氏族Velkve_da】の一。
- 自らは「ナウク人の王家Ehluknvel Nautien」を称した。ナウク人、アラム人、ソグド人、トュルク人等の諸王諸族長を統べる至王家でもある。初代アウロン王以来、歴代皇帝の命を受けて【帝都アシュナ】と中央アジア草原地帯を往還し、東方の農耕民が【天界大門】に近づかぬよう追い祓うことを主な任務とした。このため漢代には「匈奴H`unu」の字を当てられた。アルタイ語族から分岐発達したと思われるナウク語(牧民語PanvaAtveln)を母語とするが、イルン-ギフ老王の治世以降の宮廷ではクシュカ語やエルン語も併用されるようになった。
- 初代アウロン王の娘メーア(および彼女に随っていた八十人の乙女)は「ウズナ王の狩り」によって西方王家に囚われ、ここから後のホル人が分かれ出た。アウロン王の後継者たちは代々ジェッサ氏族に対して奪われた民の解放を要求したが容れられず、これが後に四大氏族同士の幾たびもの争いをひきおこす遠因となった。帝国崩壊後、ホル人は最後の女帝【ナルグ=サーイェンカ】の遺命に従ってさらに西へ移住し、西方諸民族から「フン族TheHuns」と呼ばれて恐れられた。さらにまた一部の枝族はこのときエムロッハ家に随ってインドへ移り、フーナ王朝HunaDynastyを興した。
- Kianda_y'{固有::キアンダーユ <古形kiand-<KeNT「100」+-da_y'<【tin】:原義「百人の部下を統率する者、百人隊長」 →【kiaz】【kienda】を参照}
- 1. 『三王子の歌』および『パーンドゥシュ武勲詩』に謳われる【エルン王家】の名君。一般には「キアンダーユ王子KiazKianda_y'」として知られる。
- kilmm{名:キルム <*kil-<KI-LE}
- 1. 片脚。
- 2. (足を引きずりながら)動く行為。跛行。
- 3. 獣または大型鳥類の脚。
- kilz{名:キルズ <*kil-<KI-LE}
- 1. 跛行者。
- Kisavna{固有:キサーヴナ <エルン語no~ni-ki-sawien「剣の(に属する)貴婦人たち」}
- →【Beizl】を参照。
- klin{動:クリン ←→【kwin】、【kis^】、【ksin】}
- 1. 歩く、歩む。
- 2. (獣や鳥との比較で)二本脚で歩行する。
- ※例文:イスキュア断章・5の1
- gzau, ze_lenkla_y' ...... ga_y', vlsieku_y' ......
- 「人、(すなわち)大地を歩むもの……獣、(すなわち)数多の荒野をすすむもの……」
- knas^{名:クナシュ <*knis- ←→knau、knissin、kundekin}
- 1. 光明。
- 2. 背光。聖なる光。冷光。
- 3. 蒙を啓くこと。またそのための(比喩的な)光。
- 4. (仏典)阿弥陀如来の慈悲。如来光。
- knil'hav{形:クニルハヴ}→【knillav】に同じ。
- knissin{動:クニッスィン}
- 1. 目覚める。
- 2. (転用)仏道において悟りを得る。
- Kordakkha{固有:コルダッハ、コルダッカ <*kor-+*dak-}
- 1. イスキュア神話において、三千世界の神仏が発する声に聴き入っているとされる出所不明の黒い巨石(一説には黒い革袋)。ネルザ観音の歌声にのみ従属し、【アリアザーン璧帝】に献ぜられたのちに失われた。コルディカーユの所在は三千世界のある限り決して明らかにはならないとされるが、そこから産み落とされた黒い房状の滴石は数多の世界に見出される。
- korlav{形:コルラヴ、コウラヴ →テュルク系諸語kara「黒い」、古代倭語kur-「黒い、暗い」}
- 1. 黒い。黒々とした。kor-語幹の単語は黒髪や毛皮について用いられるのに対して、nior-語幹は黒光りする物体(石炭、黒曜石など)について用いられることが多い。
- kovna{名:コヴナ <KO}
- 1. 細工。拵え。
- 2. 小物。品物。(一般的な)物。
- 3. 工芸品。
- 4. つくりもの。創作物。 ←→【paiva】を参照。
- kruv{形:クルウ →【kruin】を参照のこと}
- 1. 小さな。
- 2. 短い。(より大きなものの)一部にあたる。
- 3. 分かれた。分離した。
- 4. (雅)幼い。いたいけな。
- Kuantva_ta{固有:クアントヴァータ <*kuonkvat-<*kyon-kvat-<K^WEN+KwET}
- 1. イスキュア神話において、【 ヴィルグナ女神 】の四方を護る役目を負った四頭の巨狼。別名「女神の猟犬たち s^nuddun Gaunen」。単数を強調する場合はクアントヴァKuantvaを用いる。
- ヴィルグナの操る「回転する焔の鏡」クネストゥーヴknestu_vに導かれ、彼女の意のままに世界の四辺を巡視することで知られる。
- かつては【釈迦世界】で最も美しい四人の乙女であったが、驕慢からヴィルグナ女神と争い、無限の徒競争に負けて狼のすがたに変えられたという。
- 帝国後期には、語源の誤った類推から「犬狼菩薩Kuanto_va」と混同され、【イシュカ観音】の元近習であると信じられた。
- さらに後代、東方世界においては狗神や狛犬として、西方においては王権の象徴である獅子として尊重されることになる。ヘブライ人の『聖なる書』で言及されるケルビムや「炎の剣」との関連も指摘される。
- kuhuna{名:クフーナ}
- 1. 戯れ。
- 2. 不確定な性質または状態。「縁の柔らかいもの」。
- 3. (仏典)無常。 →【taurrin】を参照。
- 4. (演劇)結末の決まっていない舞台や影絵芝居。即興劇、即興曲。
- 5. 放浪。彷徨。終着点を定めずに馬を駆ること、またその経路。
- kuhunay`{名:クフナーユ}
- 1. 吟遊詩人。放浪詩人。
- 2. イスキュア神話において、【サスル】が三千世界を去った後に、彼の楽器を受け継いだとされる者たち(複数形kuhunalnまたはkuhunay`n、集合名詞kuhunavel)。
- kulz{名:クルズ →【lugna】を参照}
- 1. 光、光明。
- 2. 松明(の明かり)、照明。
- kumdin{動:クムディン <*kumu- →?ギリシャ語koiman「眠らせる」}
- 1. 眠る。
- 2. 安置する。不動のものとする。
- 3. やすらぐ。落ちつく。
- kumza{名:クムザ}
- 1. 眠れる者。
- 2. (仏典)衆生。覚醒に至っていない者。男性を明示したい場合はkumz、またはkumzauを用いる。集合名詞としてはkumvel。
- kun-{接頭:クン}
- 1. 【kunna】の接頭形:「五つの〜」。
- kundin{動:クンディン <*knd- →古高地ゲルマン語cuntesal「炎」、古ノルディック語kynda「燃え上がる」}
- 1. 発火する、着火する。
- 2. 燃やす。燃焼する。
- 3. (力や威力を)増幅させる。勢いを増す。
- Kus^ka{固有:クシュカ、クーシュカ <*Aku_s^ka?<【aku_in】<KU +【us^ka】}
- 1. 紀元前六世紀から紀元三世紀(一説には四世紀)にかけて中央アジアに栄えた、【アシュナ】を帝都に持つ遊牧帝国の名称。原義は「馬を操る者」「乗馬する者」か。多くの場合、「騎士たちの大いなるクシュカKus^kida_nni sky'tien」という成句において用いられる。
- ku_va{名:クーヴァ <古クシュカ語*ku_vau<語根KU「歩く」+【vau】<VAE「踵、人間、男」 ←→【kwin】、【vel】、【ve_y'】}
- 1. 王、王侯、族長。
- 2. 遊牧部族の長。アシュナの皇帝に臣下の礼をとった諸部族の頭領。
- kuvin{動:クヴィン <*ky'v-<*kiv- ←→【kivna】}
- 1. 生きる。生存する。→類義語【eku_vin】が「移動しながら生活する」「暮らす」を含意するのに大して、kuvinは「単に生きている」「生き延びている」状態をあらわす。
- ※例)
- as^gaun kuvand, za_ln eku_vand.
- 「狼達は生存し、人々は生活する」
- 2. おこなう。行動する。
- kuvna{名:クヴナ <kuvin}
- 1. おこない。行為。 ←→【kavna】も参照。
- 2. 武勲。いさおし。
- 3. 偉業。
- kvenka{数:クヴェンカ <*kvet-<KwET →ラテン語quartus、英語quarter}
- 1. (数字の)4。
- 2. 四つ、四個、四体。
- ky'lz{名:キュルズ <*kyul-<派生語幹*klwl-<名詞語幹*kll-「光沢をもって輝くもの」<強調形KeLeL「金属的に輝く」<KeL「黄色、輝く」 →ギリシャ語chrysos「金色の」chloros「緑がかった黄色」、サンスクリット語hari「黄色の」、アルタイ諸語altun「黄金」:関連語彙【Y'ltena_y'】も参照}
- 1. 黄金、金、金属。
- 2. 黄金色。
- 3. 光、輝き。
- ky`nau{名:キュナウ <kivna<*kviz- →古ノルディック語kvikr「生きている」、ラテン語vivus「生命」}
- 1. 速さ、速度。
- Ladas^{固有、名:ラダシュ、ラーダシュ <lada+das^}
- 1. (固有名詞)【帝都アシュナ】の四方を護る四氏族の直轄封土、またそこを横断する通商路。
- 2. 悪鬼羅刹が侵入することのかなわない土地、または道。呪的結界。イスキュア神話においては、「王の光る血」でもって方円を描くことにより強力な結界がつくられるという。
- lagna{名:ラグナ ←→【lakh】}
- 1. 奥。深部。深み。→類義語【baza】を参照。
- 2. かなめ。基部。
- 3. 礎石。建築物の最下層部。
- 4. 動物の肝。
- lagnovna{名:ラグノーヴナ <【lagnin】}
- 1. 参加。
- 2. 参戦。
- lailin{動:ライリン <【lakh】+【lin】}
- 1. 入る。入ってくる。登場する。
- 2. 入城する。
- 3. 入室する、入場する。
- lakh{前置:ラク、ラッハ}
- 1. 属格に先行して、内包的位置や区域をあらわす:「〜の中の」。
- 2. 与格に先行して、運動や行為の内包的目標点・作業域をあらわす:「〜の中へ、の中で」。
- 3. -ver分詞(節)に先行して、主要な行為の目的や意図をあらわす。
- ※例)
- kuva kwin「王が待つ」+ lhay` salvin「鷲が飛ぶ」
- →kuva kwin lhai lakh salver. 「王は鷲が飛ぶのを待つ」
- (直訳:「王は待つ、鷲を+飛ぶ(状態)へ入るところの」)
- khaz vnakan「若者は夢見た」+ y`nay` lain「恋人は現れるだろう」
- →khaz vnakan y`nai lakh liever.「若者は恋人が現れるだろうことを夢見た」
- (直訳:「若者は夢見た、恋人を+現れるだろう(状態)へ入るところの」)
- lanu_in{動:ラヌーイン <【lakh】+【nuvin】}
- 1. 加わる。
- 2. 参加する。
- laugna{名:ラウグナ <*lau-<*lv-}
- 1. 徴。徴候。
- 2. 冠。
- 3. 胎盤。
- La_yazl{固有:ラーヤズル <【la_ya】+【-zl】:「天幕の姫君」}
- 1. 『三王子の歌』において語られる四王家の諍いと『大門の戦い』をひきおこすこととなった、イスキュア王家の悪名高い姫君。【白幡公ウルンシャウズ】と【スヴェルスカ姫】の孫、【ペンヴァーユ王子】の長女。
- lha_y`{名:ルハーユ <【lwin】の過去分詞lhavから}
- 1. (雅)鷲:原義「歌う者」。牡鷲であることを強調したい場合は、古語のルハウズlhauzを用いる。
- logna{名:ログナ <*low-<*lv-?}
- 1. 胴。腹、腹部。
- 2. 胴体。身体。←→対義語【yozna】
- 3. かたち。外見、外形。見栄え。
- ※例)logna laugnai knas^no_va aglan, laugna lognai vando_va angsan.
- 「(整った)躰に(英雄騎士の)輝く徴は無く、(英雄騎士の)徴は力強い躰を得ない」
- :紀元3世紀頃、クシュカ帝国晩期の碑文。帝国の衰退を嘆く文章と思われる。
- 4. 身の丈。身長。
- lugna{名:ルグナ →ラテン語lux「光、輝き」luna「月」}
- 1. (天体の)月。
- 2. 月光。
- luv{形:ルーヴ}
- 1. 音楽の、音楽的。
- 2. 旋律のある、旋律のような。
- luz{名:ルズ、ルーズ <【lwin】<*lv-}
- 1. 音楽、旋律、しらべ。
- ly`gh{名:リューグ →ラテン語ligare「結びつける」 ←→【penez】、【vasna】、【vey`】、【vossa】なども参照のこと}
- 1. 束縛。呪縛。
- 2. 足枷。また、その一部として用いられる縄や鎖。
- 3. (雅)戦闘中の行為によって発生した関係。とくに、その結果として発生した継続的で不可避的な服従。
- 4. (仏典)因縁、とくに悪縁。障碍。釈迦の息子・ラーフラのクシュカ語訳。→【Norkuza】、【y`gau】を参照。
- Ly`lossa{固有:リューロッサ <ly`gh+lossa「足枷姫」?}
- 1. 【クシュカ帝国】に伝わる民話の主人公。エルン語ではリョーロッシェLyoloss^e。【ヴィルナ女王】に関する伝説と、若き日の【キアンダーユ王子】を救った【レーヴェズル姫Revezl】の逸話とが混淆したものと思われる。
- リューロッサは出生時の(無理強いされた)名前の交換によって継母や姉たちから迫害され片脚を失うが、【神獣ダグナDagna】の毛皮を得ることで俗界に戻って優れた「天秤の使い手virdamay`(=裁判官)」となり、【四王家】の王子たちから求婚され、最後にはエルン王家に嫁いで末永く幸せに暮らしたという。
- manau{マナウ <mana- →ラテン語manus「手」}
- 1. 手。
- 2. 手段、方法。術策。
- 3. 技、熟練技術。
- 4. (転用)剣技、剣士、または剣そのもの:Kuvmanakn「王の手たち」=帝都アシュナの衛兵。
- markauya{名:マルカウヤ、マウカウヤ <【markuz】}
- 1. (雅)あけぼの。曙光。【markuz】の(古い)女性形。「日向かふ扉(=朝)の斥候を見よauksosmarkauyaias^tnarghen」という詩句から人口に膾炙(かいしゃ)した。
- marridann{名:マリダーン <*mar-}
- 1. 【クシュカ帝国Kus^ka】における【転輪乗経典Tuvenkus^】の分類術。
- 2. 分別。大別。
- 3. 配列。
- mayenka{固有:マーイェンカ →?サンスクリット語maya「幻力、情愛」}
- 1. 【サーイェンカ文殊菩薩】の妹。