クシュカ語辞書(の続き)

S「あれ、なんか途中までしか表示されないぞ>クシュカ語辞書。大きすぎたのかなあ……というわけで、esl以降の単語です」

esl{名:エスル →ラテン語sal、古高地ゲルマン語salz}
1. 塩。
2. 外海、とくに黒海を指す。
es^lau{名:エシュラウ}
1. 例外。
es^lauz{名:エシュラウズ}
1. (雅)無法者。粗暴な者。
es^lav{形:エシュラウ、エシュラヴ}
1. 例外的な。原意「群の外の」。
2. (転)優れた。
es^lay`{名:エシュラーユ}
1. 優れた者。例外的才能を持つ人物。
2. (雅)吟遊詩人。
es^lin{動:エシュリン <充足接頭辞e-+語根SEL「集まる、共にある」+【lin】 ←→【is^】【s^a】等を参照}
1. さまよう、群の外へ迷い出る。洩れる。
2. 迷う。道を逸れる。
3. (水などが)漏れる。こぼれる。
4. 例外となる。例外的である。
esna{名:エスナ <*es-}
1. 波。
esnas^{名:エスナシュ}
1. 波打ち際。岸辺。浜辺。
es^nehav{形:エシュネーハヴ}
1. 愛らしい。可愛い。
esnin{動:エスニン <*es- ←→【eska】、【ezrin】}
1. 波打つ。
2. 手を振る。
essin{動:エッスィン}
1. できる。可能である。なしとげる。←→【es-】を参照。
es^vin{動:エシュヴィン <*es^+vin「与える」}
1. 譲る、無償で与える。あげる。
2. 償う。支払う。寄付する。
3. 仏門に入る。僧侶となる。
evett{接続:エヴェット <【edin】+【av】}
1. 理由・原因を明示する接続詞:「なぜなら〜だから」「というのも〜であるから」。
-ey`{接尾:エーユ ←→名詞属格単数-en、【-oy`】、【-day`】}
1. 名詞・形容詞について、存在者をあらわす:「〜である者」「〜としてある者」「〜に属する者」。
ezna{名:エズナ <*zn- ←→【asnin】}
1. 【クシュカ帝国】における長さの単位。
ezrav{形:エズラヴ <【ezrin】<*ezinの完了形*ezu_rin<ESE}
1. 曲がった。湾曲した。
2. ねじ曲がった。
ezrin{動:エズリン <*esr-<ESER}
1. 曲げる。湾曲する。
2. ひねる。しぼる。
ezvel{名:エズヴェル}
1. 無法者。
2. 盗賊団。匪賊。
g{前置:グ <ne-<nevin<【nin】}
1. 属格に先行して、所属や被所有関係をあらわす:「〜に属する、に所有される」。
galaivin{動:ガライヴィン <【gar-】+【laivin】}
1. 拒絶する。拒む。
2. 排斥する。
3. 押し出す。
gamulin{動:ガムリン <【gar-】+MUL}
1. 病を癒す。病から癒える。
2. 悪霊を祓う。
gapha_rrin{動:ガファーリン <【gar-】+【pharra】}
1. 髪を切る。
2. 飼い慣らす。支配下に置く。
3. (雅)悟りを得る。また、そのために転輪僧となる。←→【knissin】を参照。
gar-、gan-{接頭:ガル、ガン <*iger-<IKER →【grin】参照}
1. 動詞や名詞の語頭に付いて反対・阻害・停止・極限・過剰・過少などをあらわす。主に動的な対義語を生成するのに用いられる。
 →より静的な対義語をつくるには【agn-】を参照。
 ※例文)   garraidovna y`nien kai sudnovnai ahlen zan.   
訳:「執着を絶つことは、空を裂くことに等しい」
    gar- +【aidin】「伸びる、伸ばす」
    >garraidin「絶つ」>名詞化garraidovna「途絶、断絶」
gargwin{動:ガルグウィン <【gar-】+【gwin】}
1. 分解する。解体する。
garkundin{動:ガルクンディン <【gar-】+【kundin】}
1. 消火する、鎮火する。
2. 勢いをそぐ。鎮める。鎮まる。
garregwa_y'{名:ガレグワーユ}
1. 守衛。
2. 陣や城を守る者。守備兵。
garregwin{動:ガレグウィン <【gar-】+【egwin】}
1. 守る。守備する。
garrerza_nn{名:ガレルザーン}
1. 監察官。代官。地方の所領を巡回し、裁判をおこなう役職。
garrerzin{動:ガレルズィン <【gar-】+【erzin】}
1. 明らかにする。明確にする。
2. 謎を解く。
3. 秘密をあばく。
garrerzon{名、固有:ガレルゾン}
1. 【ガレルザーンgarrerza_nn】の古名。
2. (固有)帝国に伝わる民話の主人公。隷民に身をやつしては各地を放浪し、悪霊や匪賊を退治してまわる。多くの場合、【サスルSasul】の化身であることが物語の最後に明かされる。
garrindin{動:ガリンディン <【gar-】+【indin】}
1. 位置をずらす。はずす。
2. 持ち場を離れる。
3. (転用)敗走する。戦線が崩壊する。
garwin{動:ガルウィン <*gau-inの古完了派生形<GAW}
1. 呑み込む。
gauna{名:ガウナ <gau-gn-<GAW+GENE →印欧祖語GENe;古英語cwen「女性、妻、女王」、ギリシャ語gyne「女性、妻」 ←→関連語句【 -ven 】を参照}
1. 貴婦人。【帝都アシュナ】に住まう貴族の女性。
2. 成年女性、婦人。
3. (古)女主人、女領主。
gauz{名:ガウズ <GAW}
1. 平野。
2. 草原。
gay`{名:ガーユ <*gau-}
1. 大型哺乳類。巨獣。
2. 野生動物。
gazaida_y'{名:ガザイダーユ}
1. 愚か者。無能者。
gazaidin{動:ガザイディン <【gar-】+【zaidin】}
1. 領土を減らす。領土を失う。
2. 財を失う。貧しくなる。
gdau{名:グダウ <*gundau<*gwnd- →古高地ゲルマン語wunta}
1. 傷、負傷。
gessa{名:ゲッサ →サンスクリット語h`eda「怒り」、ドイツ語geist「精神、霊」}
1. 狂気。
2. 執着。
3. 憑きもの。
gessau{名:ゲッサウ <【issin】}
1. 悪霊。
2. 悪鬼羅刹。←→類義語【azr】を参照。
gessav{形:ゲッサヴ}
1. 狂ったような。
2. 怒りに満ちた。
3. とり憑かれた。
gi_y`{名:ギーユ <天騎語*gil-<IKELE}
1. 悪霊。遊牧民の天幕に集まるという小妖怪。
2. 悪さをはたらく妖種。女怪。
gna_lin{動:グナーリン →【gnin】}
1. 空にする。空ける。
2. 飲み干す。
gnav{形:グナーヴ}
1. 空の、うつろな。
2. 水分のない。乾いた。
3(雅)自由のない。決定権のない。固定された。
gnay'{名:グナーユ →?サンスクリット語na`ga}
1. 蜥蜴神、または水蛇神。イスキュア神話においては水と不死を司る女神。
gnin{動:グニン <*ign-in<IKENE}
1. 空にする。
2. 乾かす、渇かす。干す。
3. 干物にする。
golkin{動:ガリン}
1. 言う。発言する。言葉を発する。
2. 呪言を発する。呪う。
grin{動:グリン}
1. 研ぐ。削る。
2. 激しくこする。粉にする。
gudin{動:グーディン}
1. 傷を与える。傷つける。
gwin{動:グウィン <【kwin】<Ke}
1. 作る。
2. 製作する、工作する。
3. 〜させる。〜のように仕向ける。←→類義語【aku_in】を参照。
gzau{名:グザウ <*gs-ou-<*gis-<GwEDH →古英語biddan<印欧祖語GwEDH「問いかける、祈る」}
1. 流浪者。
2. (仏典)巡礼僧。乞食(かつじき)をする者。
3. (古)祈祷師、まじない師。原義「天に問いかける者」。
gzavl{名:グザヴル、グザウル <?*gez-+vel}
1. 狩猟、とくに儀礼的な狩り。
2. 草原の疾走。
3. (固有集合名詞)イスキュア神話において、夜半に疾走する亡霊の群れ。疾駆鬼。先頭の疾走者は頭部を欠くことが多い。【赤獣ダグナDagna】の天敵。単数を強調する場合はグザヴェウgzaveu、またはグザヴァgzava。
hainu{名:ハイヌ}
1. 背、背中。
2. 後ろ。背面。
halz{名:ハルズ <*hel-<*huel-}
1. 伝説。伝承。
harnin{動:ハルニン、ハウニン <har-<*khra-}
1. 姿勢を低くする。膝をつく。
2. 小さくする。低くする。
3. 縮小する。
harz{名:ハルズ、ハウズ <har-<*khra-}
1. 波打ち際。
2. 河岸、とくに急流のぶつかる岩場。
Has^le_z{固有:ハシュレーズ <*Hals^lusse_-<hal-+【s^lossin】の受動未来分詞属格s^lossoe_vn<G^HAL+SEL+LOS}
1. 【帝都アシュナ】の内裏の壁に記された九つの大戦の総称。それらのうち最も有名なものは【パーンドゥシュPandrs^】大戦であり、【四大氏族Velkve_da】から出た多くの英雄騎士たちが転輪乗世界の各地でたおれた。
haulin{動:ハウリン <har-<*khra-}
1. 錆びる。
2. 朽ちる。
3. (転用)腐る。←→類義語【kurgin】を参照。
haulo{形:ハウロ <har-<*khra-}
1. 錆びついた。
haulos^{名:ハウロシュ}
1. 錆。
hauv{名:ハウヴ <【huin】の過去分詞形}
1. 天馬。【天空遊行tuvenkus^】をおこなう馬。
2. 良馬の美称。駿馬。
henuwin{動:ヘヌーウィン <i+yene+orruin}
1. 呪術をかける。術を施す。
2. まじないをする。
Herrelvada_ya{固有:ヘレルヴァダーヤ <*Herru_lvadauya<【herru_lvin】+【vadau】}
1. クシュカの遙か西方にある「大河の国」を治めた女王の名。「名高い+父親(+女性形語尾)」の意。
herru_lvin{動:ヘルールヴィン <her-+【ulvin】}
1. 栄誉を勝ち取る。名をあげる。
2. 有名になる。
herz{名:ヘルズ <her-}
1. 名前。
2. (転)名誉。誉れ。
hian-{接頭:ヒアン−}
1. 銀色または銀製をあらわす接頭辞。名詞hiazの属格hiadenの省略形からか。←→【ky`ld-】を参照。
hianav{形:ヒアナヴ}
1. 銀色の。銀製の。
Hianry`stova{固有:ヒアンリュストーヴァ <【hianry`z】+【tova】}
1. (仏典)【ナナン=ズィル菩薩神】の異称。
hianry`z{名:ヒアンリューズ <【hian-】+*re-}
1. 月の周囲にみえる円環または孤形の白光。月の暈。
2. (仏典)月虹。転輪経典においては、【ナナン=ズィル菩薩神】と【クールーシュ宇宙侵入神】との誓約のしるしであると解釈される。
3. (漢籍)白光。日輪を貫くことで凶兆をあらわす天文現象。幻日。
4. (転用)帚星。彗星。
hiaz{名:ヒアズ <*hy`a-}
1. 銀。
Hilielva{固有:ヒリエルヴァ <*hil-+【ulsa】}
1. 世界樹スカウズ】の別称の一つ:直訳「天の支柱」。主にジェッサ氏族が用いた。
 ※例)
  vananu_ya barrandrav yegh us^kvelg, nu vananu_ya puzandrav Hilielvag.
 「我らの騎馬より勇ましきものの全く無きこと、〈天の支柱〉より堅きものの無きが如し」
hilkin{動:ヒルキン →【hilvel】}
1. 上昇する。
2. (梯子を)のぼる。
hilnkus^{名:ヒルンクーシュ <*hlm-「天界、至高」+*kis^-「跛行、片脚」}
→【tuvenkus^】を参照。
hilvay`{名:ヒルヴァーユ}
1. 上昇。上方への移動。
2. 昇格。昇進。
hilvel{名:ヒルヴェル <*hlm+vel}
1. (集合的に)星々、星空:「天空の群れHeavenly Flock」。
2. 星雲。銀河。
3. 天の川。
hilvin{動:ヒルヴィン <*hlm-}
1. 持ち上げる、上昇させる。
2. 昇格させる。
3. 天界のものとする。
hlgna{名:フルグナ、ハルグナ <*hl-<*hlm-}
1. 宮廷。
2. 軍隊。軍事力。
hlzaulin{動:フルザウリン}
1. 行儀よく振る舞う。
hlzauvin{動:フルザウヴィン}
1. 厳格にする。
2. 訓練する。
hlzav{形:フルザヴ}
1. 厳格な。訓練された。
2. 秩序立った。
hols^a{名:ホルシャ hol-<*hlm- ←→【balos^a】}
1. 【ナーユ天女nay`】の異称。原義「(鳥のように)群れ集う乙女」。
hoslin{動:ホスリン <*khos-}
1. 休む。
2. 眠る。
hosloy`{名:ホスローユ <hoslin+-oy`}
1. 死者、特に戦死者:原意「眠る者」。
hozna{名:ホズナ <*khos-}
1. 寒さ、冷たさ。
hu~{副:接頭:フー}
1. 形容詞・副詞の最上級をあらわす:「もっとも〜」。
2. 形容詞の語頭に接続して極端な状態をあらわす:「非常に〜」「きわめて〜」。
huin{動:フウィン <hw-<*hyw-<名詞語幹*hlw-<HeLeM「天空、上昇」}
1. 天翔る。天空を駆ける。←→対義語【kwin】を参照。
2. 馬に乗り、あやつる。
hulkha{名:フルカ、フールカ <*hlm-}
1. 高さ。全高。
2. 高い場所。
husvay`{名:フスヴァーユ}
1. 手綱。
2. (雅)刀剣の鞘。
husvin{動:フスヴィン <*khos-}
1. 火を消す。
2. 止む。鎮める。
3. 休む。休める。
hvas{代:フヴァス}
1. 属格に先行して、所属や所在を示す:「〜の、に属する、における」。
2. 対格に先行して、範囲や時期を示す:「〜あたりの、〜ころの」。
i{前置:イ ただし母音の直後に置かれた場合、古典クシュカ語ではヒkhiとなり、【エルン王国Erndeva】の発音ではキ ki となる}
1. 名詞の属格に先行して、所在を示す:「〜の、における」。
2. 対格に先行して、範囲や時期を示す:「〜あたりの、〜ころの」。
i-/a- -rruin/-rwin/-uin{動:イ/ア-ルウィン/ウィン/リン <*orre-}
1. 名詞または動詞幹を挟んで、行為による変化をあらわす:「〜にする」「〜めかす」「〜化する」。
iandin{動:イアンディン <*ian-+【nin】 ←→【as^kin】、【aiknin】}
1. 付き従う。原義「(一歩後から)遅れて来る」。
2. (古)従者として侍る。さぶらう。
iandlo{形:イアンドロ <【iandin】}
1. 第二の。
2. 付き従う。
3. (古)従者の。
iandu_n{名:イアンドゥーン}
1. (古)侍従。単数を強調する場合はイアンドンiandonを用いた。→【zaidu_n】を参照。
2. (古)警護兵。護衛。
iandu_y'{名:イアンドゥーユ <【iandin】}
1. (騎士の)従者。
2. 見習い。
3. (俗)若者。未成年。
-idann{接尾辞:−イダーン}
1. 巨大さをあらわす接尾辞:「大〜」「大いなる〜」。
ikla{名:イクラ <【iklo】}
1. 黄色。
iklo{形:イクロ <古クシュカ語の形容語幹*ikl-<KeL →【ky'lzin】を参照1. 黄色い。
iksa{数:イクサ}
1. (数字の)6。
2. 六つ、六個、六人。
indau{名:インダウ}
1. (固定的な)場所。位置。所在。
2. 狙い。照準。焦点となっている土地。
3. (古)遊牧民が天幕を張っている場所。宿営地。
indin{動:インディン <【i】+【nin】}
1. 持つ。
2. 固定する。位置を定める。
3. (転用)照準を定める。弓矢や槍などの狙いをつける。
ingau{名:インガウ}
1. 誇り。
inglav{形:イングラーヴ}
1. 誇り高い。
inglin{動:イングリン <ing-}
1. 誇る。誇り高くある。
2. (己の技量や性質について)誇らしく思う。
inglovna{名:イングローヴナ}
1. 誇示。
Ingu_ska{固有:イングースカ <ingu_-<派生語幹*ingwl-「誇りに満ちた〜」<形容語幹*ingl-「満ち足りている〜、満足している〜」<強調形*ngl-「満ち溢れるもの」<名詞語幹*nl-<NeL}
1. イスキュア神話における半獣半女の戦士。【天界十騎Us^kvanu】の一人【ヴァラドゥーズ】の妻となり、美丈夫【アンファルーズ】と獣剣士【ダグ=アシュガウ】を産んだ。
ir、vir{代:イル、ヴィル}
1. 三人称単数、中性形:「それ」。属格はirgh、virgh。
irkhav{形:イウハーヴ、イルハーヴ}
1. 曲がった。湾曲した。しなった。
irkhin{動:イルヒン、イルキン ←→ 【irna】}
1. 弓なりに反る。しなる。
2. 曲がる。
3. (力や感情などが)つのる。蓄積する。
irkhrin{動:イルフリン、イルクリン <【irkhin】}
1. 曲げる。
2. (外的な力によって)狭い場所へ詰め込む。
irna{名:イルナ ←→【virrimn】、【irz】}
1. 弓、短弓。
2. 左右対称の角。
3. (雅)上弦の月
4. (雅)左手。左側。軍隊の左翼。
irre、virre{代:イレ、ヴィレ}
1. 三人称複数、中性形:「それら」。属格はirregh、virregh。
irz{名:イルズ ←→【irna】}
1. 双刃の斧。
is^{前置:イシュ、イーシュ <*y`s^}
1. 対格に先行して、動作の共同や近接をあらわす:「〜のまわりの、の近くの」。
Is^ka{固有:イシュカ <*is^-「十字の、交叉した」+*kau-「腕」?}
1. イスキュア神話における女神格。【ナナン=ズィル菩薩神】の脇侍で、のちにその権現とも見なされる。本来の神格は大地母神であったらしい。本地は千手観音、ただし密教では准胝観音をあてる。
iskarlav{形:イスカルラヴ、イスカウラヴ <【iska_rrin】}
1. 垂直の。(地面から)まっすぐに建つ。
iskawin{動:イスカーウィン <*skau- →ラテン語stare「立つ、立てる」}
1. 立てる、建立する。
isku_rrin{動:イスクーリン <【sku_in】}
1. (対象について)考慮する。深く分析する。
is^luz{名:イシュルーズ <is^+【luz】}
1. 合唱。
is^na{名:イシュナ <*ias^-kna →【as^kin】、【Is^ka】、【as^gau】}
1. 同胞。
2. 祖国。【クシュカ帝国】の異称。
3. (雅)戦友。
is^nessin{動:イシュネッスィン <is^na+zin}
1. 仲間となす。祖国となす。
2. 帝国の支配下に置く。
3. 進駐する。
is^pande_va{名:イシュパンデーヴァ <【is^】+【pandin】}
1. 物語。伝説。伝承。
2. (各部族で伝わる)伝統、慣習。
-issa/-is^a{接尾:−イッサ、−イーシャ}
1. 小さな場所や建築物などをあらわす接尾辞。
issin{動:イッスィン <*ghis(s)-in<GHES →印欧祖語GHEIS}
1. 狂う。もの狂う。
2. (憑かれて)狂奔する。
3. 執着する。
ituskarruin{動:イトゥスカールイン}
1. 育てる。養育する。
2. 子を産み育てる。
ivdau{名:イヴダウ、イーヴダウ <maevdau<maevin}
1. 人間。定命の者。元はmaevdau「死すべき者(殺されるべき者、受刑者)」から。
ivday`{名:イヴダーユ}
1. 【ivdau】に同じ:ただし-au語尾は男性を暗示するのに対し、-ay`語尾は男女両方をあらわすことができる。
ivna{数:イヴナ}
1. (数字の)7。
2. 七つ、七個、七人。
Ivna{固有:イーヴナ}
→【Paiva】の俗称。
-iye/-ye{接尾辞:−イイェ、イェ}
1. 矮小さをあらわす接尾辞:「小〜」「ささやかな〜」。
izana{名:イザナ <y`zr}
1. 瞬間。
2. イスキュア神話哲学において、時間と空間の最小単位。
izer{前置:イゼル <【i】+【zar】}
1. (二つの物件や条件などの)間の。→類義語【mez】を参照。
izerhav{形:イゼールハヴ <i+ze+orruin}
1. 創られた。
2. 新しい、独創的な。
izu{前置:イズ、イズー <i+za? →古スラヴ語iz}
1. 属格または奪格に先行して、外部への運動をあらわす:「〜の外へ、からその外へ」。
kahauz{名:カハウズ <*kauh-}
1. 混沌。混乱。
2. 攪乱。
3. 混合。
kahav{形:カハヴ、カハウ <*kauh-}
1. 混乱した。乱れた。乱雑な。
kai{前置:カイ <*khei}
1. 対格に先行して、様相の類似をあらわす:「〜のように、のような」。
kalin{動:カリン <【kaya】または【ka_y'】}
1. 囲む。ぐるりと輪になる。→四方をとりまく場合はkalinを用い、上下からも包み込むような場合は【la_win】を用いる。
2. 取り巻く。包囲する。
karra{名:カーラ <kar-<*aku-}
1. 船。大型船。
2. (雅)運命、宿命。変え難い事象。
3. (仏典)業。宿業。
Karrakna{固有:カラクナ、カラークナ}
1. 船の女神。【イシュカ菩薩】の眷属で、元来は【ナーユ天女】として釈迦世界に到来。別名Ukarkay`「船の造り手」、Na~lkna「飛天神」。【パーンドゥシュ】大戦の折には【咒釜ウルガ】を巨船に乗せて運び、戦の命運を決した。
 皇帝の近衛騎士団は戦闘開始の合図として、hu~s kai Karraknai「カラクナ飛天神のごとく天駆けよ」を用いたとされる。(これは帝国後期には省略されて一般化し、出立の際の挨拶kaikarru~i>harru~iとなった。) →【Beizl】を参照。
karremm{名:カレム <*ka_rreva「使われたもの」<KAU}
1. 奴隷。
karriye{名:カリーイェ <【karra】+【-iye】}
1. 小舟。艇。
2. (雅)兆し。前兆。神仏の仄めかしや信号、またはそれを運んでくる者。
ka_s^a{名:カーシャ}→【kaus^a】に同じ。
Kaudun{固有:カウドゥーン <*s^kautva}
1. クシュカ帝国の四方を守護する四つの氏族の総称。四大氏族。
kauha{名:カウハ <【kauhin】}
1. 乱れ。
kauhin{動:カウヒン <KOW}
1. 乱れる。
kauma{名:カウマ <kauh-<KOW}
1. 渦巻。
kaupha{名:カウファ <【kauphin】}
1. 意図的な乱れ。乱し。乱雑化。
kauphin{動:カウフィン <kauh-+【vin】<【kauhin】}
1. 乱す。原義「乱れを与える」。
kaus^a{名:カウシャ <*kauh-+s^<KOW}
1. 綾模様、綾織り。
2. 紋様。
kauz{名:カウズ <*kau- →ラテン語curvus、ギリシャ語koronos「曲がった」}
1. 腕。
2. (建築物の)梁、桁。
3. (天幕の上部を支える)環状の構造材。
kavdin{動:カヴディン <*kauh-}
1. 混乱を引き起こす。
2. 混ぜる。
kawin{動:カウィン <kahu-<*kauh-}
1. 乱れる。混ざる。
2. 荒れる。
kay`{名:カーユ <*kwe- ←→kay`na、y`kay`}
1. 渦巻紋様。→【paulay`】を参照。
2. 渦。渦巻。
kaya{名:カヤ <*kauya<*kaul-<KAW-LE}
1. 車輪。
2. 環状の物体。輪。輪っか。
3. (転用)指輪や首輪など、環状の装飾品。
kay`na{名:カーユナ <*aku- →古ノルディック語aka「乗り物で旅をする」、ラテン語agere「乗る、導く」、ギリシャ語agein「導く」}
1. 方法、手段。目的を果たすための器具、または技術。
2. 移動手段。
3. 荷車。
kbau{名:クバウ <*kb- →ソグド語kp-、パシュトゥー語kab}
1. 魚。
kdawin{動:クダーウィン <*kdava-}
1. 揺るがす。揺さぶる。
kha{接続:ハ}
1. 接続法の動詞に先行して仮定や条件をあらわす:「もしも、もし〜なら」。
kha-{接頭:ハ、カ}
1. 語頭について強調の意味をあらわす。
kharrav{形:カラヴ、ハラヴ <*khra-}
1. 質のおちる。出来の悪い。
kharva{名:ハルヴァ}
1. 全体。
khau{名:カウ、ハウ →東方イラン祖語*gari-}
1. 岩山、峻険な山岳地帯。
khauz{名:ハウズ、カウズ}
1. 若者、少年。
khawin{動:ハウィン <*khewe-}
1. 癒す、和らげる。
2. 全体を統合する。
Khazaumas^{名:ハザウマーシュ <強調接頭辞kha+zaumas^}
1. 宇宙全体。三千世界。一切諸法。
Khiarska{固有:ヒアルスカ}
1. 第五代皇帝の治世に西方より到来した「魚の民」。集合名詞はヒアルスクヴェルKhiarskvel、またはヒアルヴェルKhiarvel。ヒウスカKhirska/ヒウスクヴェルKhirskvelとも呼ばれる。聖太子ヒアルスカウに帰依し、魚を紋章として死と再生の秘儀に耽溺したという。
khiaz{名:ヒアズ <*khian-}
1. 魚、特に海の魚。
2. 【西方ヒアルスカ人Khiarska】の紋章。
khova、-khova{名:コヴァ、コーヴァ <*khra-}
1. 窪地。盆地。水の溜まる土地。
2. 峡谷。
khowin{動:コーウィン、ホーウィン <*khova-<*khra-}
1. 崩れる。ぼろぼろになる。腐敗や腐食によって全体性・一体性を失う。
2. 疫病を得る。え病む。
3. (転用)感染する。←→【Khulus^】も参照。
Khoznas^{固有:ホズナシュ}
1. イスキュア神話における英雄戦士。【ウシュクヴァーヌ天界十騎】の一人で【懐疑者アグナ】の従兄弟。
Khraughonn{固有:フラウゴン <*khra-}
1. イスキュア神話において、最初の王ウルンクーヴァの土地の北辺を東西に流れた大河。北岸には菩薩と悪鬼が棲み、南岸には人の一族が棲んだ。コヴァウの湿地で【磊江ヴラウゾン】と合流し、その下流で【ウルゴン河Urghonn】が流れ込んだのちに大きく北へ湾曲した。
khulus^{名:クルシュ、クールーシュ →語源不詳:Luciferと語源的関連あり?}
1. 外から来る者、侵入者、名前のない神仏。「剣を持つ仏」。
2. (固有名詞)イスキュア神話における宇宙侵入神。女面獣身で四腕四脚をとる。
3. (俗信)禍福を共にもたらす来訪者、訪い神。
4. 盗賊。
Khunvel{固有:クンヴェル <*khund-+vel「氏族」}
1. クナヴェルKhnavelとも表記される:クシュカ帝国の北東〜東を守護した有力な氏族、いわゆる【四大氏族Velkve_da】の一。
 自らは「ナウク人の王家Ehluknvel Nautien」を称した。ナウク人、アラム人、ソグド人、トュルク人等の諸王諸族長を統べる至王家でもある。初代アウロン王以来、歴代皇帝の命を受けて【帝都アシュナ】と中央アジア草原地帯を往還し、東方の農耕民が【天界大門】に近づかぬよう追い祓うことを主な任務とした。このため漢代には「匈奴H`unu」の字を当てられた。アルタイ語族から分岐発達したと思われるナウク語(牧民語PanvaAtveln)を母語とするが、イルン-ギフ老王の治世以降の宮廷ではクシュカ語やエルン語も併用されるようになった。
 初代アウロン王の娘メーア(および彼女に随っていた八十人の乙女)は「ウズナ王の狩り」によって西方王家に囚われ、ここから後のホル人が分かれ出た。アウロン王の後継者たちは代々ジェッサ氏族に対して奪われた民の解放を要求したが容れられず、これが後に四大氏族同士の幾たびもの争いをひきおこす遠因となった。帝国崩壊後、ホル人は最後の女帝【ナルグ=サーイェンカ】の遺命に従ってさらに西へ移住し、西方諸民族から「フン族TheHuns」と呼ばれて恐れられた。さらにまた一部の枝族はこのときエムロッハ家に随ってインドへ移り、フーナ王朝HunaDynastyを興した。
khurz{名:フルズ、クルズ}
1. 羊の群れ。
2. 放牧された獣の集団。
3. (雅)民衆。民草。
khuve{副:フーヴェ、クーヴェ <kha-}
1. kha-の副詞形:「〜さえ」「〜こそ」。
Kianda_y'{固有::キアンダーユ <古形kiand-<KeNT「100」+-da_y'<【tin】:原義「百人の部下を統率する者、百人隊長」 →【kiaz】【kienda】を参照}
1. 『三王子の歌』および『パーンドゥシュ武勲詩』に謳われる【エルン王家】の名君。一般には「キアンダーユ王子KiazKianda_y'」として知られる。
kiaz{名:キアズ <*kiant-}
1. 王子。
2. 百人隊長。
3. 貴公子。貴族の子弟。
kienta{数:キエンタ <*kiant-}
1. (数字の)100。
2. 百個、百人、百頭。
kilmm{名:キルム <*kil-<KI-LE}
1. 片脚。
2. (足を引きずりながら)動く行為。跛行
3. 獣または大型鳥類の脚。
kils^{名:キルシュ <*kil-<KI-LE}
1. 境界、境。境目。
2. (呪術的な)陣。結界。
kilz{名:キルズ <*kil-<KI-LE}
1. 跛行者。
kin{動:キン <Ke「(片脚の)歩行、移動」}
1. 行動する、おこなう。
2. 多くの名詞・形容詞に接続して、それらを動詞化する:「〜する」。
3. (古)歩く。
kirka{名:キルカ <KIR「反射、きらめき」}
1. (古)鏡。
kirri_mm{名:キリーム <KIR}
1. 瞳。
Kisavna{固有:キサーヴナ <エルン語no~ni-ki-sawien「剣の(に属する)貴婦人たち」}
→【Beizl】を参照。
kivlo{形:キヴロ <KI-MB}
1. ほのかな。かすかな。
2. 兆しの。始まりの。
kivna{名:キヴナ <*kiv-<*kvi-}
1. 命、生命。
2. 生命力。
kivs{名:キヴス <【kivlo】}
1. 動物、獣。
klin{動:クリン ←→【kwin】、【kis^】、【ksin】}
1. 歩く、歩む。
2. (獣や鳥との比較で)二本脚で歩行する。
  ※例文:イスキュア断章・5の1
   gzau, ze_lenkla_y' ...... ga_y', vlsieku_y' ......
  「人、(すなわち)大地を歩むもの……獣、(すなわち)数多の荒野をすすむもの……」
knas^{名:クナシュ <*knis- ←→knau、knissin、kundekin}
1. 光明。
2. 背光。聖なる光。冷光。
3. 蒙を啓くこと。またそのための(比喩的な)光。
4. (仏典)阿弥陀如来の慈悲。如来光。
knau{名:クナウ <*knd- ←→knissin、kundekin}
1. 炎。
knay`{名:クナーユ <*knal-「さえずる」}
1. 鳥。
2. 夜啼鳥。
knil'hav{形:クニルハヴ}→【knillav】に同じ。
knilin{動:クニリン <KNE →【kniska】、【knau】、【knissin】}
1. 燃える。火がつく。
knillav{形:クニッラヴ <【knilvin】}
1. (自ら)炎を発する〜。
knilvin{動:クニルヴィン <【knilin】}
1. (自発的に)燃え上がる。自らを燃やす。
2. (対象物に)火をつける:原義「炎の様相を与える」。
kniska{名:クニスカ <*knis+ska}
1. 種火。
2. 小さな火。
kniskav{形:クニスカーヴ}
1. かすかな。わずかな。
knissin{動:クニッスィン}
1. 目覚める。
2. (転用)仏道において悟りを得る。
Kordakkha{固有:コルダッハ、コルダッカ <*kor-+*dak-}
1. イスキュア神話において、三千世界の神仏が発する声に聴き入っているとされる出所不明の黒い巨石(一説には黒い革袋)。ネルザ観音の歌声にのみ従属し、【アリアザーン璧帝】に献ぜられたのちに失われた。コルディカーユの所在は三千世界のある限り決して明らかにはならないとされるが、そこから産み落とされた黒い房状の滴石は数多の世界に見出される。
Korgda_y'{名:コルグダーユ <KOR}
1. イスキュア神話における【アクシャーザ】の敵対者の一。原義「黒くする者」「損壊神」。東方浄瑠璃光世界に侵攻して十万年におよぶ圧政を敷いた。
korh{名:コル、コフ <KO}
1. (馬の)ひづめ。
korlav{形:コルラヴ、コウラヴ →テュルク系諸語kara「黒い」、古代倭語kur-「黒い、暗い」}
1. 黒い。黒々とした。kor-語幹の単語は黒髪や毛皮について用いられるのに対して、nior-語幹は黒光りする物体(石炭、黒曜石など)について用いられることが多い。
korra{名:コラ、コーラ <*kor- ←→【korlav】、【Kurgday`】、【kurgin】}
1. 黒。黒色。
kovna{名:コヴナ <KO}
1. 細工。拵え。
2. 小物。品物。(一般的な)物。
3. 工芸品。
4. つくりもの。創作物。 ←→【paiva】を参照。
kris^{名:クリシュ}
1. 分岐、枝分かれ。
2. 分離。
kris^ka{名:クリシュカ}
1. 分かれ道。
krissin{動:クリッスィン}
1. 選ぶ、選択する。
kruin{動:クルーイン →ラテン語carno-「肉の」curtus「短くされた」、ギリシャ語keirein「切る、切り離す」}
1. 斬る、裂く。
2. 刃物で切る。
3. 分ける、分割する。
kruv{形:クルウ →【kruin】を参照のこと}
1. 小さな。
2. 短い。(より大きなものの)一部にあたる。
3. 分かれた。分離した。
4. (雅)幼い。いたいけな。
krvel{名:クウヴェル}
1. 枝(の密集した状態)。
ksin{動:クスィン}
1. 踊る。
2. (古)呪的歩行をおこなう。
Kuantva_ta{固有:クアントヴァータ <*kuonkvat-<*kyon-kvat-<K^WEN+KwET}
1. イスキュア神話において、【 ヴィルグナ女神 】の四方を護る役目を負った四頭の巨狼。別名「女神の猟犬たち s^nuddun Gaunen」。単数を強調する場合はクアントヴァKuantvaを用いる。
ヴィルグナの操る「回転する焔の鏡」クネストゥーヴknestu_vに導かれ、彼女の意のままに世界の四辺を巡視することで知られる。
かつては【釈迦世界】で最も美しい四人の乙女であったが、驕慢からヴィルグナ女神と争い、無限の徒競争に負けて狼のすがたに変えられたという。
帝国後期には、語源の誤った類推から「犬狼菩薩Kuanto_va」と混同され、【イシュカ観音】の元近習であると信じられた。
さらに後代、東方世界においては狗神狛犬として、西方においては王権の象徴である獅子として尊重されることになる。ヘブライ人の『聖なる書』で言及されるケルビムや「炎の剣」との関連も指摘される。
kudna{名:クドゥナ <*knd-}
1. 成長、生育。
2. 威力や影響の増進。
ku_hin{動:クーヒン <*ku_huwin<【kauhin】の完了形kauhu_in}
1. おどける。
2. 混じり合う。
kuhuna{名:クフーナ}
1. 戯れ。
2. 不確定な性質または状態。「縁の柔らかいもの」。
3. (仏典)無常。 →【taurrin】を参照。
4. (演劇)結末の決まっていない舞台や影絵芝居。即興劇、即興曲
5. 放浪。彷徨。終着点を定めずに馬を駆ること、またその経路。
kuhunay`{名:クフナーユ}
1. 吟遊詩人。放浪詩人。
2. イスキュア神話において、【サスル】が三千世界を去った後に、彼の楽器を受け継いだとされる者たち(複数形kuhunalnまたはkuhunay`n、集合名詞kuhunavel)。
kuhuvin{動:クフーヴィン}
1. 謎をかける。
kuhuy`{名:クフーユ}
1. おどけ者、剽軽者。
2. 道化師。
kuhuz{名:クフーズ}
1. 冗談、遊戯。
2. 謎かけ。言葉遊び。
kuluin{動:クルーイン}
1. 明かりをともす、照らす。
kuluv{形:クールヴ、クールウ}
1. 明るい。
kulz{名:クルズ →【lugna】を参照}
1. 光、光明。
2. 松明(の明かり)、照明。
kuma{名:クーマ <*kumu-}
1. 眠り。睡眠。
2. 休眠。休息。
kumdin{動:クムディン <*kumu- →?ギリシャ語koiman「眠らせる」}
1. 眠る。
2. 安置する。不動のものとする。
3. やすらぐ。落ちつく。
kumna{名:クムナ <*ku~}
1. 鏡。
kumskel{名:クムスケル <*kumu-+skel}
1. 墓所。埋葬地。
2. 神殿。
kumza{名:クムザ}
1. 眠れる者。
2. (仏典)衆生。覚醒に至っていない者。男性を明示したい場合はkumz、またはkumzauを用いる。集合名詞としてはkumvel。
kun-{接頭:クン}
1. 【kunna】の接頭形:「五つの〜」。
kundin{動:クンディン <*knd- →古高地ゲルマン語cuntesal「炎」、古ノルディック語kynda「燃え上がる」}
1. 発火する、着火する。
2. 燃やす。燃焼する。
3. (力や威力を)増幅させる。勢いを増す。
kunna{数:クンナ}
1. (数字の)5。
2. 五つ、五個、五人。
kurgin{動:クルギン <kor-+ kin}
1. 黒くする。
2. 黒く塗る。
3. 傷める。損なう。無価値とする。
4. (肉を)腐らせる。
kurlo{クルロ <【kurwa】}
1. 赤ん坊のような。
2. 子供じみた。
kurmm{名:クルム <KRU}
1. 幼児。赤ん坊。
Kus^ka{固有:クシュカ、クーシュカ <*Aku_s^ka?<【aku_in】<KU +【us^ka】}
1. 紀元前六世紀から紀元三世紀(一説には四世紀)にかけて中央アジアに栄えた、【アシュナ】を帝都に持つ遊牧帝国の名称。原義は「馬を操る者」「乗馬する者」か。多くの場合、「騎士たちの大いなるクシュカKus^kida_nni sky'tien」という成句において用いられる。
kusna{名:クスナ}
1. 階段。きざはし。
2. 梯子。縄梯子。
kutau{名:クタウ <*kut-<KwET}
1. 方形。四角形。
ku_va{名:クーヴァ <古クシュカ語*ku_vau<語根KU「歩く」+【vau】<VAE「踵、人間、男」 ←→【kwin】、【vel】、【ve_y'】}
1. 王、王侯、族長。
2. 遊牧部族の長。アシュナの皇帝に臣下の礼をとった諸部族の頭領。
kuvin{動:クヴィン <*ky'v-<*kiv- ←→【kivna】}
1. 生きる。生存する。→類義語【eku_vin】が「移動しながら生活する」「暮らす」を含意するのに大して、kuvinは「単に生きている」「生き延びている」状態をあらわす。
 ※例)
  as^gaun kuvand, za_ln eku_vand.
 「狼達は生存し、人々は生活する」
2. おこなう。行動する。
kuvna{名:クヴナ <kuvin}
1. おこない。行為。 ←→【kavna】も参照。
2. 武勲。いさおし。
3. 偉業。
kvenka{数:クヴェンカ <*kvet-<KwET →ラテン語quartus、英語quarter}
1. (数字の)4。
2. 四つ、四個、四体。
kwin{動:クウィン <KE}
1. (古)歩く、進む。
ky'lvanin{動:キュルヴァーニン}
1. かすめとる。盗む。
ky'lvin{動:キュルヴィン <ky'vlinの転訛}
1. ほのめかす。かすかに見せる。
2. 兆す。
ky'lz{名:キュルズ <*kyul-<派生語幹*klwl-<名詞語幹*kll-「光沢をもって輝くもの」<強調形KeLeL「金属的に輝く」<KeL「黄色、輝く」 →ギリシャ語chrysos「金色の」chloros「緑がかった黄色」、サンスクリット語hari「黄色の」、アルタイ諸語altun「黄金」:関連語彙【Y'ltena_y'】も参照}
1. 黄金、金、金属。
2. 黄金色。
3. 光、輝き。
ky'lzav{形:キュルザヴ、キュルザウ}
1. 黄金の、黄金色の。
2. 黄金製の。
ky`nau{名:キュナウ <kivna<*kviz- →古ノルディック語kvikr「生きている」、ラテン語vivus「生命」}
1. 速さ、速度。
ky`nav{形:キュナヴ}
1. 速い。素早い。
ky`ssa{名:キュッサ ←→【kay`na】}
1. コップ。杯。
2. 小さな容器。
ky`valos^{名:キュヴァロシュ}
1. 兆し。さきがけ。
ky`valos^a{名:キュヴァローシャ}
1. 一番乗り。
2. 先駆者。
ky`venday`{名:キュヴェンダーユ <*kiv-+*ven-+【day`】}
1. 【ヴィルグナ女神】の異称の一。原義「命を得る/勝ち取る者」。
2. (雅)女騎士、とくに男装の麗戦士。
ky'zna{名:キュズナ <【ky'znin】}
1. 技。技量。腕前。
2. 見極め。見定め。
3. 当て。見当。
4. 仕分け。
ky'znin{動:キュズニン <*ky's-+【nin】<OWK-EL}
1. 見極める、見定める。原義「目で触れる」。
2. 見当をつける。
3. (家畜を)仕分ける。分類する。
lada{名:ラダ、ラーダ →ラテン語latus「幅広の」、アルメニアlain「広い」}
1. 平野、平原。
2. 領地。封土。
Ladas^{固有、名:ラダシュ、ラーダシュ <lada+das^}
1. (固有名詞)【帝都アシュナ】の四方を護る四氏族の直轄封土、またそこを横断する通商路。
2. 悪鬼羅刹が侵入することのかなわない土地、または道。呪的結界。イスキュア神話においては、「王の光る血」でもって方円を描くことにより強力な結界がつくられるという。
ladav{形:ラダウ}
1. 平原の。
2. 広い。広大な。
3. 領地の。
lagna{名:ラグナ ←→【lakh】}
1. 奥。深部。深み。→類義語【baza】を参照。
2. かなめ。基部。
3. 礎石。建築物の最下層部。
4. 動物の肝。
lagnin{動:ラグニン <*lakh-}
1. 加わる。参加する。
2. かかわる。
lagnovna{名:ラグノーヴナ <【lagnin】}
1. 参加。
2. 参戦。
lahuin{動:ラフーイン <*plav- →ラテン語pluere「雨が降る」、ギリシャ語plein「流れる、帆走する」}
1. 流れる。
2. 垂れる。くだる。
3. さまよう。
lailin{動:ライリン <【lakh】+【lin】}
1. 入る。入ってくる。登場する。
2. 入城する。
3. 入室する、入場する。
laivin{動:ライヴィン 【ylakh】+-vin}
1. 受けとめる。受容する。
2. 採り入れる。取り込む。
3. 混ぜ込む。混合する。含める。
lakh{前置:ラク、ラッハ}
1. 属格に先行して、内包的位置や区域をあらわす:「〜の中の」。
2. 与格に先行して、運動や行為の内包的目標点・作業域をあらわす:「〜の中へ、の中で」。
3. -ver分詞(節)に先行して、主要な行為の目的や意図をあらわす。
  ※例)
   kuva kwin「王が待つ」+ lhay` salvin「鷲が飛ぶ」
   →kuva kwin lhai lakh salver. 「王は鷲が飛ぶのを待つ」
      (直訳:「王は待つ、鷲を+飛ぶ(状態)へ入るところの」)
   khaz vnakan「若者は夢見た」+ y`nay` lain「恋人は現れるだろう」
   →khaz vnakan y`nai lakh liever.「若者は恋人が現れるだろうことを夢見た」
      (直訳:「若者は夢見た、恋人を+現れるだろう(状態)へ入るところの」)
lamz{名}
lanu_in{動:ラヌーイン <【lakh】+【nuvin】}
1. 加わる。
2. 参加する。
las^{名:ラシュ <*ias^ ←→is^ka、-as^、As^na、as^gau}
1. 集会場。大テント。
2. 四つ辻。曲がり角。交差点。
laugna{名:ラウグナ <*lau-<*lv-}
1. 徴。徴候。
2. 冠。
3. 胎盤
la_win{動:ラーウィン <LAU ←→【 alau 】、【 la_ya 】}
1. 包む。くるむ。
2. 守る。かばう。
laya{名:ラーヤ <*lau-}
1. 天蓋。
2. (雅)天幕。
La_yazl{固有:ラーヤズル <【la_ya】+【-zl】:「天幕の姫君」}
1. 『三王子の歌』において語られる四王家の諍いと『大門の戦い』をひきおこすこととなった、イスキュア王家の悪名高い姫君。【白幡公ウルンシャウズ】と【スヴェルスカ姫】の孫、【ペンヴァーユ王子】の長女。
lehna{名:レフナ <*lae-}
1. 影法師、シルエット。
2. (不明確な)かたち。ようす。気配。
lekkha{名:レッハ <*lae-}
1. 影。
lewey`{名:レウェーユ <*lae- →【lin】、【lehna】}
1. 幽霊。
2. 正体の定かでない、かたちあるもの。
lha_y`{名:ルハーユ <【lwin】の過去分詞lhavから}
1. (雅)鷲:原義「歌う者」。牡鷲であることを強調したい場合は、古語のルハウズlhauzを用いる。
lin{動:リン}
1. 出る、通り抜ける。
2. 現れる。
logna{名:ログナ <*low-<*lv-?}
1. 胴。腹、腹部。
2. 胴体。身体。←→対義語【yozna
3. かたち。外見、外形。見栄え。
  ※例)logna laugnai knas^no_va aglan, laugna lognai vando_va angsan.
    「(整った)躰に(英雄騎士の)輝く徴は無く、(英雄騎士の)徴は力強い躰を得ない」
     :紀元3世紀頃、クシュカ帝国晩期の碑文。帝国の衰退を嘆く文章と思われる。
4. 身の丈。身長。
lohnin{動:ロフニン <*lakh-}
1. 誕生する。世に生まれ落ちる。
2. 発生する。自生する。
3. 参入する。
lossa{名:ロッサ <balos^a}
1. 姫。姫君。
2. 貴族の娘。
lugna{名:ルグナ →ラテン語lux「光、輝き」luna「月」}
1. (天体の)月。
2. 月光。
lukha{名:ルーハ、ルーカ <*lhkh-}
1. 幅。
2. 全幅。とくに大型鳥類の両翼端間の長さ。
lukhav{形:ルーハヴ ←→【lhay`】や【lakh】と関連あり?}
1. 壮麗な。壮大な。
2. 幅広の。幅広く横たわる。
lukhin{動:ルーヒン}
1. (幅が)広がる。
lus^{名:ルーシュ}
1. 島。
luv{形:ルーヴ}
1. 音楽の、音楽的。
2. 旋律のある、旋律のような。
luy`{名:ルーユ}
1. 歌い手。
2. 演奏者。
luz{名:ルズ、ルーズ <【lwin】<*lv-}
1. 音楽、旋律、しらべ。
luzl{名:ルーズル}
1. 歌姫。
lvinka{名:ルヴィンカ <*lv-+古クシュカ語の女性名詞接尾辞-nka ←→【lwin】、【luz】}
1. 楽曲。
2. 歌声。
lwin{動:ルウィン ……分詞をつくる際の語幹はlv-}
1. 歌う。
ly`gh{名:リューグ →ラテン語ligare「結びつける」 ←→【penez】、【vasna】、【vey`】、【vossa】なども参照のこと}
1. 束縛。呪縛。
2. 足枷。また、その一部として用いられる縄や鎖。
3. (雅)戦闘中の行為によって発生した関係。とくに、その結果として発生した継続的で不可避的な服従
4. (仏典)因縁、とくに悪縁。障碍。釈迦の息子・ラーフラのクシュカ語訳。→【Norkuza】、【y`gau】を参照。
ly'_khin{動:リューヒン}
1. (幅を)広げる。
Ly`lossa{固有:リューロッサ <ly`gh+lossa「足枷姫」?}
1. 【クシュカ帝国】に伝わる民話の主人公。エルン語ではリョーロッシェLyoloss^e。【ヴィルナ女王】に関する伝説と、若き日の【キアンダーユ王子】を救った【レーヴェズル姫Revezl】の逸話とが混淆したものと思われる。
 リューロッサは出生時の(無理強いされた)名前の交換によって継母や姉たちから迫害され片脚を失うが、【神獣ダグナDagna】の毛皮を得ることで俗界に戻って優れた「天秤の使い手virdamay`(=裁判官)」となり、【四王家】の王子たちから求婚され、最後にはエルン王家に嫁いで末永く幸せに暮らしたという。
mais^{名:マイシュ}
1. (暦の)月。一ヶ月。
majna{名:マジュナ <*med-}
1. 焦点。(興味、話題などの)核心部分。
2. (機構などの)重要点。
3. (仏典)教義の核心。転じて、秘儀や奥義をも指す。
makav{形:マカヴ →サンスクリット語maha、ラテン語maximus、magnus}
1. 巨大な。
2. (智恵または膂力において)すぐれた。
malin{動:マリン <MOL}
1. 告げる。
2. 宣言する。
malo_vna{名:マローヴナ <【malin】}
1. 宣言。宣告。
2. 宣戦布告。
manau{マナウ <mana- →ラテン語manus「手」}
1. 手。
2. 手段、方法。術策。
3. 技、熟練技術。
4. (転用)剣技、剣士、または剣そのもの:Kuvmanakn「王の手たち」=帝都アシュナの衛兵。
mandukva{名:マンドゥークヴァ <man-「手」+dukav「書かれた、書かれていた(形容詞)」 + 名詞化語尾-a}
1. 手稿。
2. 記録。巻物。書類。
manin{動:マニン}
1. 使う、用いる。
ma_nu{名:マーヌ <mananu<mana-}
1. 両手。一対の手。
markauya{名:マルカウヤ、マウカウヤ <【markuz】}
1. (雅)あけぼの。曙光。【markuz】の(古い)女性形。「日向かふ扉(=朝)の斥候を見よauksosmarkauyaias^tnarghen」という詩句から人口に膾炙(かいしゃ)した。
markuz{名:マルクーズ、マウクーズ <*mar-+*ka-}
1. 斥候。
2. (古)隊列の先頭。原義「序列の先端」。
marridann{名:マリダーン <*mar-}
1. 【クシュカ帝国Kus^ka】における【転輪乗経典Tuvenkus^】の分類術。
2. 分別。大別。
3. 配列。
marridnovna{名:マリドゥノーヴナ}
1. 整頓。
Masva{固有:マスヴァ <*med- →【mez】【mezna】【Mazakh】を参照}
1. (仏典)須弥山。原義「中央(中枢)の〜」。
maug{名:マウグ <maugr-<*maur- →古英語morth、ラテン語mors、ギリシャ語brotos}
1. 死。
maukr{形:マウクル →サンスクリット語maha、ラテン語maximus、magnus}
1. 巨大な。
2. (智恵または膂力において)すぐれた。
mauya{名:マウヤ}
1. 王女。王族の姫。
mavin{動:マヴィン <*maur-+vin「死を与える」}
1. 殺す。
may'{名:マユ、マーユ <*many` →サンスクリット語matr`、ラテン語mater}
1. 母。
mayenka{固有:マーイェンカ →?サンスクリット語maya「幻力、情愛」}
1. 【サーイェンカ文殊菩薩】の妹。
mazakh{名:マザク}
1. 巨人。