『世界小娘文學全集』を頂戴しまして……

S「……早くブログに書かねばと思いつつ、Google関係でばたばたしてたので遅くなってしまいました。御本ありがとうございます>千野様:

萩尾望都明神で産湯をつかり、姓は少女で名はマンガ、竹宮恵子商店街から成田美名子遊園地と三原順大通りを驀進してきた新城としましては、まさにどんぴしゃりの素敵な読書案内でありました。やはり20世紀(の、特にフランス)の小説も読まなくちゃいかんなー。というわけでアトランダムに選んでみますと、

  • 「あなたの好きなところへ行くわ」とジーニアが言った、「あたしをつれて行って」
  • 生まれてから十五年も不器量であった娘にとって、美人の「ように」見えるということは、赤ん坊のときから美人であった娘よりも、もっと嬉しいことなのである。
  • 「先生は頭がいいし、それに。私の母親ではないからよ。母親というのは頭がよくなくなるものなの」
  • 「あたしもよ、いいこと、あんたなんか好き……ぢやないわ」
  • カリンがいなくなってからも、浴室はながらく聖なる空間でありつづけた。
  • 「ぜひお願いしたいの、パヴェウ、噛んでくださる――つまり、いっしょにかじりましょうよ、ゴミに載ったこの骨を」

こういう文や台詞にビビビッと来たあなた、そう、あなたです! ぜひとも一冊御購入を!」
M「……(おいてけぼりで呆然としている)」
S「どうした、何か言いたいことでもあるのかね」
M「や。いや。べつに」






S「とはいえ新城がもっとも納得したのは、著者/選者である千野氏の、

  • 身につまされるのと感動は違うし、娯楽に共感は必須ではない

ことを理解している読者のためにこの本はありますよ、という一言だったのでした。うーむ素晴らしい」