蝣験論/儚験論(ゆうけんろん/ぼうけんろん)ephemeral empiricism

S「……というネタを元旦に思いついて、いつアップしようか考えてたら、ちょうど小飼弾さんのところ経由でこんなのを見つけたので、ちょっと便乗することにしました」
M「それより早く原稿書いてくださいよ」
S「いやまったくそのとおりだ。すみません、あと数時間……」
X「で、何なんだ。このephemeral empiricismってのは」
S「ええとですね、つまりは読んで字のごとく、『客観的なんだけども当日24時間くらいしか成立しない真実』という概念です。永遠に正しくなきゃ真実じゃない!とか、100億年しか(!)保たない実在には意味なんかない!とか、この世のすべての認識主体が全会一致で賛成しないと真実とは呼べないぞ!とか、そういうスケールのデカい短気を発揮してる暇があったら、みなさんもうちょっと『今日だけは/ここでだけは少なくとも正しかったり美しかったり善かったりする何か』をふと見つめて心和みましょうよ、みたいな。たとえば数夜前の月明かり、たいそう奇麗だったじゃないですか? あれだって、もしも蝣験論者が数人集まって月の美しさに合意できれば、そこでだけは『月は間違いなく奇麗である』と断言できたし、ちょっと幸せになれてたわけで。便利でしょ? ……わかります?」
M「(あきれて、どこかへ行ってしまう)」
X「お前が風流好みの夜型人間なのは分かった。あと、悩みごとが少ないだろうってのもな」
S「べつに悩んでないわけじゃないですよ、新城だって。というか、『(こんな)人生に意味があるのか/どうせないだろ』みたいな議論は以前から興味があって、そのへんのことは例の3000枚の大長編でもたくさん描いたんですが……」
X「なんだよ、最後まで言えよ」
S「いや、これ以上この話題続けると、大長編のオチがバレちゃうんで。今日のところはこのへんでご勘弁を」←蝣験論的言い訳